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「リード数」ではなく「質の高いリード」を求める時代に グローバル企業におけるリードナーチャリング

 9月6日、FatWire株式会社により「リードナーチャリングとグローバルWeb」と題したセミナーが行われた。Webサイトやソーシャルメディアを使ってリードを育成する方法とは? グローバル企業の将来の経営に直結するリードナーチャリングのシステム化について、豊富な知見が公開された。

顧客体験をマネジメントするWEMとは

 イントロダクションとしてFatWire株式会社 営業部ディレクター 佐藤高生氏によって、WEM Communityについて紹介された。

FatWire株式会社 営業部ディレクター 佐藤高生氏
 FatWire株式会社営業部ディレクター佐藤高生氏

 WEMとはWeb Experience Managementの略。Webのためのコンテンツ管理システムは、更新ツールとして利用するフェーズから、顧客体験をマネジメントするWEMに進化していると佐藤氏は語る。そこでWebマスターやIT部門の担当者の情報共有の場として立ち上げたのがWEM Communityだ。

 WEMに関する情報や、セミナー・勉強会などのお知らせ、USTREAMセミナーのアーカイブなどが用意されているので、興味のある方は参照いただきたい。

グローバル企業の抱える問題

 メインセッションでは、株式会社Nexal 代表取締役 上島千鶴氏によって「グローバル企業におけるリードナーチャリング」と題したプレゼンテーションが行われた。まず上島氏は前提として、グローバル企業を次のように定義した。

株式会社Nexal 代表取締役 上島千鶴氏
株式会社Nexal代表取締役 上島千鶴氏
グローバル企業の定義

 【広義】グローバル企業とは、「複数国でビジネスを展開する企業」を意味し、世界企業、多国籍企業、国際企業の同義語として使用する。海外でグローバル企業(=多国籍企業)は、Multinational Corporation(略称:MNC)と表記される。

 【狭義】グローバル企業とは、「活動拠点をひとつの国家に置かずに複数の国にわたって世界的に活動している営利企業」

 現在、グローバル企業の本社マーケティング担当者は以下のような悩みを抱えているという。

本社マーケティング担当者の悩み
  • Webガバナンスの一環でガイドラインを整備したが、国によっては勝手に決めてしまい統制が全く取れない
  • リード管理をどこまで本社が手がけるべきか頭痛の種になっている
  • Webと基幹を繋げて、グローバルにおけるコンテンツマネジメントに取り組みたいが、地域によって商品DBが異なり、どこから手をつけていいか分からない
  • 現地サイトへの問い合わせは現地対応だが、グローバルサイト経由の問い合わせについてのパイプラインが整っていない
  • リードから受注に至るまでのプロセスが断絶しており、マーケティングROIが全く測定できない
  • SFAの導入にあたり営業プロセスの標準化を進めたいが、グローバル企業における標準ステータス管理の考え方を教えて欲しい

 次に、本社主導で取り組んでいる内容としては「コーポレートアイデンティティ」「グローバルWebガバナンス&ガイドライン」「Webコンテンツマネジメント」があるとし、進んでいる企業では、「リードマネジメントプロセス」「マーケティングオートメーション」「キャンペーンマネジメント」「リード2レベニューマネジメント」に取り組みはじめていると紹介した。

 一方、各現地法人が抱えている課題がいくつかあるという。現地法人が抱えて課題は次のような課題だ。

現地法人が抱えている課題
  1. ブランドの浸透(認知・理解促進)…国によっては全く知名度がない。マーケティング予算が限られている中で、日本のマスマーケティングは通用しない。
  2. 人材不足(リソース不足)…Webガイドラインはあっても、更新できる人やWeb統制は外注、マーケティング知識はゼロに近い地域も。
  3. 権限委譲の範囲…どこまで権限委譲していいものか。ステークホルダーやカスタマは国ごとに異なるため、マーケティングは自由にやりたいという要望が多い。
  4. 商品情報管理(PIM)の未整備…コンテンツとして使える素材や情報が整備されていない。商品毎の特性などナーチャリングに使える情報がそろっていない。各国に負担をかけている状況。
  5. マーケティングプロセスの違い…日本での営業プロセスを基準にして考えないこと。文化の違い、商慣習を考慮すること。

データで見るグローバルWeb環境

 次に上島氏は、リードナーチャリングをする上で知っておくべき、グローバルWebを取り巻く現状について様々なデータを用いて解説。日本でも急速に普及しているFacebookについては、次のような状況となっているようだ。

Facebook普及率
Facebook普及率
  • 1年以上前に既存SNSから逆転した主要国…米国/フランス/アイルランド/メキシコ
  • 1年以内に既存SNSから逆転した主要国…フィリピン/サウジアラビア/インド
  • 増加中…韓国/日本/ロシア/ブラジル/中国
  • 急激に伸びている国…フィリピン/インドネシア/インド/サウジアラビアなど
  • 対人口比50%以上…香港/カナダ
  • 対人口比40%以上…アメリカ/スウェーデン/チリ/イギリス/オーストラリア
  • 対人口比30%以上…ベルギー/トルコ/フランス/アルゼンチン/マレーシア/台湾
  • 対人口比10%以上…ポーランド/ドイツ/オランダ/スペイン/イタリア/サウジアラビア/フィリピン/インドネシア/ベネズエラ/サウジアラビア/コロンビア/ペルー/メキシコ
  • 対人口比5%以上…エジプト/タイ/南アフリカ/ブラジル

 Facebookは、先進国より発展国や途上国、BOPと言われる新興国の方が多く使われており、デバイスはPCよりスマートフォンやタブレットからのアクセスが多いことがわかっている。

 「ナーチャリングシナリオを考える際に、すべてをWebで行うという考え方はもはや古い。いろいろなところからタッチポイントを作っていく考え方が今後もっと必要になってくる」と上島氏は語った。

次のページ
グローバル企業におけるマーケティングの今後

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&a...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2011/09/16 16:45 https://markezine.jp/article/detail/14404

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