コストは規模次第 「離反顧客を引き止め」で説得を
アクティブサポートのコスト試算はそれほどむずかしくはありません。なぜなら、その大半は人件費だからです(ほかにはツールの利用料などがありますが、最初は無償のものを利用すればよいでしょう)。 そのため、まずは検索してみて、自社のブランドが1日あたりどのくらい語られているかを把握しましょう。そして、そのうち回答が必要なもの、すなわちアクティブサポートの必要が認められるものが何件くらいあるかを数えてみましょう。
慣れれば、1件あたり数分で対応できると思いますが、最初は10分程度で試算すればいいと思います。回答を入力する以外にも、案内する内容を調べたり、その方との過去のやり取りをチェックしたりする必要があるので、どうしてもその程度の時間はかかるでしょう。あとは時給に応じて試算すれば、おおよそのコストは把握できるはずです。
アクティブサポートにかぎらず、ソーシャルメディアマーケティングの最大のネックは効果測定しづらい点にあるわけですが、かかるコストを明確にして、さらにアクティブサポートによって離反顧客を引き止めることができると考えれば、比較的説得しやすいのではないでしょうか。
なお、顧客満足度やNPSなど、ほかの効果指標については使えそうなものを思いつくかぎり『Twitterアクティブサポート入門』にまとめてありますので、こちらもぜひ参考にしてください。
購入後のコミュニケーションが、企業存続のカギに
また、企業の規模によっては、コールセンターなどのカスタマーサポートを担当する部署がない場合もあるかと思います。その場合は、そもそもソーシャルメディアでも話題になっていないのかもしれませんが、ほんとうにそのままでいいのかについては、ぜひ考えていただきたいです。
ぼくは、これからの時代は買ってくださったお客さん(顧客)と、購入後にどれだけコミュニケーションを取るかが企業が生存する鍵になると思っています。顧客の不満に耳を傾け、愚直にそれを改善しつづける企業にぼくらは愛着を持ち、友人に薦めるのです。
聞く姿勢だけでは不十分で、きちんと自分たちの考えを伝えるとともに、参考になる意見は積極的に取り入れてじっさいの行動でもって応える、ほんとうの対話が求められています。 その最前線としてカスタマーサポートを位置付けて、社内でもり立てていくことの意味と価値をいま一度考えてみてください。
マーケター向けアクティブサポート概論第3回は、10月28日公開予定です。お楽しみに!
