徹底したアクセス解析から導くスマートフォンサイトの位置づけ
では、スマートフォン対応では、どのようなことに気をつけなければいけないのだろうか。鈴木氏は、今年の6月にオープンしたSUBARUのスマートフォンサイトの事例を紹介した。
スマートフォン特化型オフィシャルサイト「SUBARU.jp」
事前のアクセス解析により、サイトの人気コンテンツはスマートフォンでもPCでも、上位5つは同じ車の詳細情報であることがわかった。加えて、アクセスの多い時間帯も上位3つが「23~24時」「20~21時」「22~23時」という同じ結果が出たことからも、異なるユーザーが違うデバイスからアクセスしている傾向も伺えた。
「スマートフォンでも、お客様は車の詳細情報を取得するためにアクセスしている。このことからスマートフォンサイトも、カタログ機能に特化したサイト構築を実行することにした」と鈴木氏は語る。
またアクセス解析の結果から、スマートフォンユーザーは移動中の利用が多い事が分かり、短時間でスムーズに情報にアクセスできるよう、PCサイトの焼き直しではなく、スマートフォン専用のUIを設計することに。「メインの使い方はPCと同じとはいえ、PCサイトの焼き直しでは情報が多過ぎる。狭い表示領域で、お客様に選択肢を与えすぎてはいけない」と鈴木氏はアドバイスを送った。
6つの“S”で築く「Sustainable」な関係
最後に、鈴木氏は今後の広告・ブランディング戦略において大切なキーワードを6つにまとめた。これら6つのキーワードは“S”でまとめられているが、「Sustainable(持続可能な)」という単語の頭文字を表しているという。
- Simple …迷わないか、わかりやすいか、簡単か
- Speedy …これから来るか、最速か、見た事ないか
- Systematic…人手をかけてないか、自動でいけるか
- Symphathize… 共感できるか、分かち合いたくなるか、わかってもらえるか
- Social…プラットフォームは適切か、人に伝えたくなるか、共感する仕組みはあるか
- Stylish…流行るか、流行ってるか、粋か
「持続可能な関係を作ることを念頭におきつつ、キャンペーンをプランニングし、お客様とのコミュニケーションを図っていきましょう」と鈴木氏は語り、本講演を締めくくった。