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BtoB Webマーケティング実践講座

コンテンツで顧客を“選別”する ─ BtoB Webマーケティング実践講座第2回


過去の経験では訪問するデモに軍配が

 過去のデモンストレーションの感触では、顧客に来てもらって実施したものは成約がないわけではないが、顧客のばらつきが大きい感触だった。正確にデータ分析をしたわけではないが、商談化までの期間も案件規模もばらばら。導入する環境も改めて確認しなければならないため、営業プロセスとしては少し手間がかかる印象だ。

 デモンストレーションに訪問した場合では、商談化への期間は早い印象が残っていた。商談も比較的具体化するケースが多いように感じられた。

 もしかすると、顧客を訪問する以上、営業がしっかりと顧客について調べて訪問しているからそう感じられるのかもしれない。現場に行ってしまえば導入環境も確認しながら臨機応変に提案ができるため、実際の導入を想定した具体的な商談ができる。労力はかかるが、訪問するデモのほうが分があるように感じられた。

 決定的な意見は、課長級の方が自分自身が製品を発注するときにどうするか、というコメントだった。

 彼は予算がない場合は先方に行くというのだ。デモに来てもらってもこちらにはまだ買うことができる予算が獲得できていない。先方の営業の無駄足になれば、申し訳ないので情報収集として自分が訪問するという考えだ。過度にヘビーな営業も受けたくないし、集団やセミナー形式で行うデモのほうが行きやすいと。

 逆に、予算がある場合は、買うつもりもあるし、具体的な商談を個別に詰めたほうがよい。いくつかの企業に来てもらって、合理的な比較を行って、すっきり決めたい。そのために自社の労力を多く使いたくないし、たくさんのメンバーを連れて行くこともできないので、デモをしてもらえるようにお願いをするとのこと。

 確かに、発注側の視点に立てば合理的な判断だ。もちろんすべてのケースがそうではないが、発注経験のある人ならば同じような経験があるのではないだろうか。

 最終的に、両者の間をとってWeb上にデモ依頼窓口を設置することになった。訪問可能な場所・時間などの条件を明確にする。一方的にお断りするかもしれない但し書きをいれる。

 デモ依頼があった場合、いきなり行くのではなくお電話でフォローし、本当に言ったほうが良いかはワンクッションおいて営業部門にデモ実施の決定権を与える。変わりに、なるべくオープンにデモを行っているとWebサイトで宣言する。両者のよいところをある程度取った形になった。

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この記事の著者

渥美 英紀(アツミ ヒデノリ)

株式会社ウィット代表取締役

立命館大学政策科学研究科修了。さまざまな業界の売上アップ・ブランド強化・ 営業改善など100以上のプロジェクトを担当。特にBtoBのウェブマーケティング において高い成功確率を誇り、2009年に『ウェブ営業力』(翔泳社)を執筆。ア クセスログ解析システム、メール配信システムな...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/10/18 13:34 https://markezine.jp/article/detail/14872

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