現場のある強みを活かしたO2Oと消費者コミュニケーションに取り組みたい
Q. ソーシャルメディア運用を始めてみて、変わったことはありますか?
お客さまの反応がすぐにわかるようになりました。Twitterで「現在、アウターフェア実施中です。こちらのアウターは残り6着です!」とツイートした後、その日のうちに完売したことがありました。他にも、ルミネの連絡通路から撮影した「有楽町マリオン」のイルミネーションをFacebookで投稿したところ、次の日「Facebookで投稿されていたイルミネーションはどこから見えるんですか?」とインフォメーションに何件かお問い合わせをいただいたこともあります。
これまで私たちのようなディベロッパーは、ショップを通してお客様とつながることがほとんどでした。それがFacebookでは、直接お客様の声をいただけます。この変化は大きいですね。「見てくださっているんだなぁ」と感じられたときが一番うれしいです。
Q. ソーシャルメディアを使ったキャンペーンは実施していますか?
オープンしてからはやっていませんが、店舗と連動したチェックインキャンペーンはいつかやってみたいですね。それと、Facebookファン限定のイベントを店頭で実施するなど、リアルとソーシャルメディアを絡めたキャンペーンやイベントをやりたいと思っています。
Q. 目標としているゴールはありますか?
Twitterは購買に直接影響を与えるような気軽な宣伝ツールとして、これからも活用していきたいです。一方、Facebookに関しては、売上を上げるツールとは考えていません。現場があるという強みを活かしながら、お客さまとの信頼関係を高めていくだけでなく、まだルミネを知らなかったり、なかなか来店できなかったりする人にも、ルミネってこういう会社なんだということを伝えられるようにしていきたいです。

インタビューを終えて
昨年はソーシャルメディアの普及が急速に進んだ年でした。旧来のマス媒体に比べ、自由度が高く、自社でコントロールできる上に、安価で始められるという利点から、マーケターから注目を集め、多くの企業でも活用されるようになっています。
今回ルミネ有楽町店さんのお話をうかがって感じたのは、プロモーション施策全体におけるソーシャルメディアの位置づけを考えておく重要さでした。ソーシャルメディアは売上を上げるための“魔法の杖”ではありません。あくまで有効な選択肢のひとつだということです。
これからソーシャルメディア活用を始める方はもちろん、ソーシャルメディアを過信して「木を見て森を見ず」になってはいないか、今一度、中長期的な視点でプロモーション施策全体を見直すときが来ているのではないでしょうか。