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コンタクトセンターはソーシャル時代にどう向き合うべきか? ― CRMからCCMへ ―

 2月2日、コンタクトセンター関係者向けの大規模セミナー「テクマトリックス CRM FORUM 2012」が開催された。東京大学名誉教授 養老孟司氏による基調講演をはじめ、コンタクトセンターの最新技術や業界動向が紹介されるとあり、会場となった渋谷のセルリアンタワー東急ホテルは、多くのビジネスマンでにぎわいを見せた。

 「テクマトリックスCRM FORUM 2012」はテクマトリックスが主催する日本最大級のコンタクトセンター関係者向けセミナー。この記事では、編集部が注目した3つのセッションを紹介する。まず紹介するのは、株式会社デジタルガレージ グループCEO室 エグゼクティブプロデューサー 厚川 欣也氏の「ソーシャルメディア時代の新しい顧客像」と題したセッションだ。デジタルガレージ社は1995年創業、日本のインターネットの歩みとともにビジネスを展開してきた企業であり、Twitterと資本・業務提携していることでも広く知られている。さらに最近ではLinked inやPathといった海外のソーシャルメディア系のサービスに投資をしている同社。ソーシャルメディアがもたらした生活者の変化について、厚川氏は次のように語った。

株式会社デジタルガレージ 
グループCEO室 エグゼクティブプロデューサー 厚川 欣也氏
株式会社デジタルガレージ グループCEO室 エグゼクティブプロデューサー 厚川 欣也氏

ソーシャルメディアがもたらした新しいコミュニケーション

 「Twitterなどのソーシャルメディアの登場によって、情報の伝達経路は従来の上から下、大から小ではなくなりました。生活者はネットを通して一人ひとりがメディアになれる。無視できないほどの拡散力を持つ個人が増え、リツィートや『いいね』によってスピーディーに情報伝搬が行われています。公式情報が正しいという認識も薄れ、企業からの情報もタイムラインに流れてくる友達や有名人のツィートに紛れたひとつとしてしか見てもらえません。相対的に強くなった個人との付き合い方、力を持った消費者との付き合い方を考えなければならない時が来ているのでしょう」

 そしてソーシャルメディアの普及に加え、ネット社会の進化によって「アマチュア革命」が起こったと語る厚川氏。人々はスマートフォンを持ち、Wi-Fi環境を使って、いつでもどこからでも情報を発信できるようになった。“ひとりのプロよりも千人のアマチュアの口コミの方が公正な意見が聞ける”と考える生活者も増え、単なる消費者から脱却したのだ。

 「これまでのように売り手から買い手に一方的に情報が伝わる時代から、顧客が主導の時代となりました。顧客は店からのオススメ情報に対して、何か裏があるんじゃないかと、簡単にはうなずいてくれません。購入者一人ひとりの店や商品についての好感度が売上を左右する。ポジティブな意見を出してくれるお客を作っていかなければならないのです」(厚川氏)

ソーシャルメディアで成功する企業活用の秘訣

 続いて、厚川氏は企業がソーシャルメディアを活用する上で大切な、4つのポイントを紹介した。

顧客と誠実に継続的に向き合う覚悟をもつ

 ソーシャルメディアを始めるということは、お客さんとつながる窓を開けるということ。いったん窓を開けると閉められないし、始めたからには誠実に付き合わなければならない。マス広告のようにコントロールできないことをわかった上で、裸の付き合いをするという覚悟が必要だ。ソーシャルメディア上では企業もお客様も同じフォーマットであり、それができる企業力が求められている。

プロとして、顧客の役に立つ情報を発信する

 Twitterなら“フォローする価値のある、リツィートする気になる、情報を発信する”、Facebookなら“親密で、好感をもてる、情報の送り手として認められる”ような、拡散しがいのある情報を常に出していかないといけない。

ソーシャルメディアに対応する基本ポリシーを策定する

 社内外に向けて、自社のソーシャルメディアに取り組む基本姿勢を明示する必要がある。社内に対しては社員のソーシャルメディア使用の規範づくり、社外に対してはどのようなコミュニケーションを目指すかを表明する。ルールを決めておかないと、担当者を守ってあげられないし、評価もしてあげられなくなる。部署間のシナジーも生まれない。

企業の代表としてソーシャルメディアに向き合う人材を育成する

 誰が担当するかは非常に重要だ。うまくいっている企業は担当者が非常に優秀である。しかし人事異動などでその担当者がいなくなってしまったら、尻切れとんぼになってしまう。最後に、社内のクローズドな環境でTwitterの機能を使える「BirdFish」を紹介し、厚川氏は講演を締めくくった。

オンラインイベントのお知らせ

 当日の講演が視聴できるバーチャルイベントを開催中です!興味のある方はぜひご覧ください!「テクマトリックス CRM FORUM 2012 Online

 続いて紹介するのは、テクマトリックス株式会社 CRMソリューション営業部 木原 満博氏。「ソーシャルが拓く、新時代のコンタクトセンターとは」と題し、ソーシャルメディアがコンタクトセンターに与える影響と同社が提供するFastシリーズの活用方法について解説した。

テクマトリックス株式会社
 CRMソリューション営業部 木原 満博氏
テクマトリックス株式会社 CRMソリューション営業部 木原 満博氏

ソーシャルメディアがもたらした新しい“ゴール設定”

 「最近までコンタクトセンターといえば『顧客満足度の向上』が目標であったが、ソーシャルメディアの普及により、昨今では『顧客ロイヤリティの向上』という言葉が使われるようになった。さらにゴールとして『アドボカシー(擁護)』が設定されていることも多くなってきている」と語る木原氏。

講演資料より抜粋(以下、同)

 「アドボカシーとは、単なる製品やサービスのファンになっただけでなく、第三者に推薦してくれる状態のことです。つまり熱烈なファンと言えるでしょう。顧客をアドボカシー状態にするのは、コンタクトセンターだけでは難しく、顧客開拓や売上向上のために企業としてアドボカシー状態の顧客を作っていく必要があるでしょう」と木原氏は語る。

CCM(カスタマーコミュニティマネジメント)の時代が到来

 時代とともにコンタクトセンターの姿も変化を遂げてきた。1990年代くらいにコンタクトセンターが開設されるようになり、「対話による解決」が図られるようになった。そして2000年台になって自動音声やFAQが整備されるようになり、「自己解決」型のコミュニケーションが取り入れられるようになる。

 さらに2010年頃からソーシャルメディアの利用者増加によって、「コミュニティによる解決」が本格化してきた。「これまでは、お客様の声に対応することがコンタクトセンターの役割でしたが、これからはお客様のいるコミュニティに自ら入って、お客様の声を探しに行かなければなりません。コンタクトセンターが窓口となり、FacebookやTwitter等のコミュニティとしっかり向き合ってサポートしていく姿勢が大切です」と木原氏は語る。

 続いてソーシャルCRMの実現に向けて、課題と解決策について見ていこう。

講演資料より抜粋(以下、同)

 このように目的に応じて担当している部門が異なっているので、社内に壁ができていると木原氏は指摘。ソーシャルメディア上では従来以上に迅速で柔軟な対応が求められる。「専門窓口でのSLA管理をするか、あるいは社内横断の情報インフラを構築することが重要です」(木原氏)

 加えてソーシャルメディアでは電話やメールと異なるマナーやルールが存在する。既存チャネルとの棲み分けを明確にしておき、社内で統一した運用ルールやマニュアルが必要であると木原氏は説いた。

FastシリーズのソーシャルCRM機能

 最後に、木原氏はテクマトリックスが提供するコンタクトセンターCRMソリューション「Fastシリーズ」に追加されたソーシャルCRM機能について紹介した。

SNS自動受信機能

 管理機能で設定した接続先SNS(Facebookページ等の特定のURLや、Twitterアカウント)から自動で投稿・コメント等の情報を取得することが可能。

マルチチャネル機能

 既存チャネル(電話、eメール、FAX、Web等)と同様に、SNS自動受信機能にて取り込まれたFacebookの投稿・コメント、及び、Twitterのツイート・返信情報等は1件のコール(コンタクト)として取り込まれる。また、SNSを含む各チャネルからのコールを顧客に関連付けて履歴を一元管理することが可能。

クロスチャネル対応

 1件の投稿・コメント・つぶやきに対して、チャネルをまたいで応対することが可能。既存チャネルでも電話での問合せに対しeメールで返答する場合があるが、本機能により、投稿・コメント・つぶやきに対して電話対応に誘導したり、eメールで個別に対応したりする場合でも、一連の対応履歴を管理することが可能。

承認ワークフロー

 SNS上のお客様の声(事案)の内容に応じてワークフローを複数定義することが可能。事前に設定されたワークフローを利用することにより、社内の部門を横断するような事案処理の業務効率化と事案処理漏れ防止を強力に支援する。

危機管理機能

 予め指定した危機管理キーワード(NGワード等)が登録されると、管理者・経営者等に自動的にアラート通知を行う。SNS上のお客様の声から、危機の予兆を察知するのに有効。

メール反響分析機能

 一斉配信したメールの開封確認・クリック確認・SNSサイトへの誘導後の足あと履歴のログ取得が可能となる。配信したメールに対する顧客の反響を自動的に集計・解析することで、メール配信業務を効率的に行える。(※別途メールアウトバウンドオプションが必要。)

レポート機能

 SNSを含むチャネル毎の件数、担当者毎の対応件数、承認件数、問い合わせ区分(カテゴリ)毎の件数、対応完了までに要した平均処理時間等のレポートを標準機能として提供。また、クロスレポートオプションを利用することにより、クロス集計レポートを作成することも可能。

セルフカスタマイズ機能

 項目の表示/非表示、表示位置、ラベル背景色、必須項目チェック等、画面レイアウトをプログラムレスで柔軟に変更することが可能。画面毎により細かい項目設定ができるようになったため、業務に応じた画面設定をより柔軟に行うことができる。

 「SNSが急速に発展するともっと能動的にコミュニティの会話を通じてロイヤリティの醸成やブランド価値の向上がコンタクトセンターの役割として求められる機会が増えています。ソーシャルメディアがメディアやチャネルとして信頼性を確立しつつある現状を理解し、顧客接点を増やす重要な機会であると認識した上で、顧客を中心として、一環した顧客対応をしていくことが大切です」と語り、木原氏は講演を締めくくった。

お知らせ

 当日の講演が視聴できるバーチャルイベントを開催中です!興味のある方はぜひご覧ください!「テクマトリックス CRM FORUM 2012 Online

 最後に紹介するのは、テクマトリックス株式会社 CRMソリューション営業部 北真幸氏による「必見!化粧品通販のCRMを変える!! ~きめ細かな顧客対応とCRM施策がリピート顧客を創る~」。ひとつの商品を継続的に購買してもらう「単品通販」のCRM施策に付いて講演が行われた。

テクマトリックス株式会社 
CRMソリューション営業部 北真幸氏
テクマトリックス株式会社 CRMソリューション営業部 北真幸氏

単品通販におけるコンタクトセンターの重要性

 一般的に通販においては新規顧客獲得が売上を生み、リピート獲得が利益を生む。したがって、売上規模を拡大したいときには新規獲得のマスプロモーションを行い、利益を得たい時にはリピート促進のCRMプロモーションを行うことになるという。

 「特に化粧品通販においては、商品やブランドの競争が非常に激しくなっていて、既存顧客に継続した購入をしてもらって、収益性をあげることが重要になってくる。そのためには、既存顧客との関係性を深めて継続購入率を引き上げていく施策の展開と、これを支える顧客管理基盤の構築が必要不可欠になっています」と北氏は語る。

「FastPromo」が通販事業者の抱える課題を解決する

 FastPromoはこのような通販ビジネス、特に化粧品通販において、リピート顧客を作る顧客管理とCRM施策を支援するシステムだ。具体的な課題とともに、FastPromoがどのように解決するかについて話が進められた。

課題1

  • チャネル毎(電話・メール・店舗)で顧客情報が別々…電話の応対履歴は管理しているが、メールはメーラーで管理していて統合されていない。通販と店舗で購入情報が別々になっている。
  • 注文情報に紐付かない。VOCが管理できない…注文情報に紐付かないものが管理できない。せっかくのお客様の声を商品やサービスの向上に役立てられない。

解決策~顧客とのコミュニケーションに関する情報を一元管理

 FastPromoでは、チャネルを問わず、お客様との応対履歴を一元管理できる。注文情報の連携も可能。顧客を軸にして問い合わせ履歴と注文情報を一元管理できるため、それぞれの源泉になった媒体情報を一元管理することで、広告の効果分析をすることも可能になる。

課題2

  • 顧客のセグメントができていないため、施策を打つためのターゲットリストの抽出ができない。

解決策~顧客セグメント機能とターゲットリストの抽出機能

顧客ステージの管理

 お客様が購買した商品や一定の期間にどれだけの回数の購入があったかによって、顧客ステージ(対象外・休眠・未購入・トライアル・本商品購入・リピーター・定期)を自動的に計算してセットすることで、サンプル購入した顧客を商品購入に引き上げたいというときにターゲットリストを抽出することができる。

RFM分析機能

 どれくらい最近、どれくらい頻繁に、どのくらいの注文があったかによって、お客様をセグメントする機能。それぞれ5段階、125のマスにセグメントする。レポート上からターゲットリストを抽出することができる。

課題3

  • 販促プロモーションが効果的に実施できない、あるいは実施後の成果分析ができない。

解決策~Web・メール・電話のクロスチャネルプロモーション

 単発のアウトバウンド施策だけでなくチャネルを組み合わせた連続的なプロモーションによって、プロモーションの効果を上げることができる。RFM分析で対象外としたお客様の中にいる「ポジティブ休眠」を掘り起こすことが可能に。

課題4

  • 肌悩み・カウンセリング情報が埋もれている…化粧品事業者特有の課題である。顧客対応時に確認できない。過去の製品購買履歴を把握できない。いろんなシステムに分散していて非効率。

解決策~化粧品事業者様向け機能

 FastPromoは、商品を継続して利用いただくための一貫性のあるコミュニケーション業務を支援。次の機能を提供している。

顧客カルテ

 顧客カルテにより、前回の対応者からの引き継ぎ・注意事項を確認して、顧客ごとの一環した対応ができる。肌の悩みなど、カウンセリング情報に基づいたオススメ商品の紹介も可能に。

顧客シェア

 顧客シェア表示により、過去の購買履歴を確認できるため、オススメすべき商品が一目瞭然に。購入いただいた商品および、購入日・購入回数・購入金額を表示。過去の受注履歴から購買サイクルを計算し、アラートを表示してリピート購入を促すことができるため、アップセル・クロスセルに繋げられる。

ワークフロー

 他部門にまたがる業務をワークフロー機能でスムーズに。依頼元・依頼先の設定を行い、処理状況のステータス管理や実施管理が可能となる。

 「FastPromoによって、あらゆる顧客情報が可視化されるため、全オペレーターが『お客様の肌悩みやそれに対するカウンセリング状況』『お客様の累計の購入状況』『過去の製品購買履歴』を確認しながら対応することができ、業務効率のボトルネックとなっていた返品処理対応なども効率化することができます」(北氏)

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&a...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/02/12 19:18 https://markezine.jp/article/detail/15166