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MarkeZine Day 2025 Autumn

ゲーミフィケーション入門

ゲーミフィケーションはバズワードでは終わらない!
その真の可能性を探る「ゲーミフィケーション、今後の展望」

「おもてなし」としてのゲーミフィケーション

 利用者を深く理解しその気持に沿った仕掛けを提供するという発想は、日本語にすると「おもてなし」という言葉で表現することができる、というのは思考を飛躍させすぎているでしょうか。実は筆者は、ゲーミフィケーションはソーシャル時代におけるおもてなしの表現手法として洗練されていくというビジョンを持っています。

 おもてなしの世界でも、お客様を深く理解し、何を求めているのかを察知することが非常に重要になります。そのうえで求めに応じて、あるいは求められる前に行動をとることで、お客様にとって気持ちのいい体験を提供することができます。現実世界のおもてなしの表現手法は、笑顔や声をかけること、よく整って清潔な場を提供すること、あるいはお客様の好みに応じて提供される食事や部屋の準備だったりすることでしょう 

 ソーシャルの環境が整ったオンライン上でこれを表現するときに、ぜひゲーミフィケーションの考え方を使ってみてください。第3回で説明したゲーミフィケーション・フレームワークを当てはめてみてください。

 たとえば初心者には、ていねいにサービスの内容を説明するオンボーディングの手法、利用者の達成状況に対し細かくフィードバックを返すためにバッジを使う手法、利用者の期待に沿うような世界観・物語の準備。こうしたゲーミフィケーションの手法は、その根本におもてなしの心を持つことで鮮やかに意味を持つものとして利用者に届くことでしょう。

 飛躍を承知であえて言うなら、ゲーミフィケーションはオンライン上でおもてなしを表現するための手法として磨かれていくというのが筆者の今後の展望です。ひょっとすると、それが現実になるころにはゲーミフィケーションという名前は消えてなくなっているかもしれませんね。

連載を終えるにあたって

 さて、本連載はこれにて終了です。拙文にお付き合いいただいた読者の皆様に御礼申し上げます。連載開始から約半年が経過し、その間にゲーミフィケーションのコンセプトが国内でも広く浸透してきたことが実感できるようになりました。筆者は今年2012年が日本におけるゲーミフィケーション元年だと考えていますが、これからさまざまな事例が登場することでしょう。成功するものもあれば、失敗するものも出てくると思います。

 実践での検証を経て、徐々にゲーミフィケーションの活用が洗練されていくわけですが、少しでもその洗練のスピードを早めていくことに筆者はこれからも力を注いでいきます。この分野に関心を持つ皆様であれば、またどこかでお会いできる機会があることでしょう。それを楽しみにしながら筆(キーボード?)を置きたいと思います。ありがとうございました。

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この記事の著者

深田 浩嗣(フカダ コウジ)

15年にわたりモバイル領域でのデジタルマーケティングを提供しECを中心に200社以上のWebサイト立ち上げ・改善を実施。2014年、株式会社Sprocketを設立、Web接客手法でコンバージョンを最適化するツール「Sprocket(スプロケット)」を開発・販売する。短期的なCVRの向上にとどまらず、中長期的なLTVの向上を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/02/24 08:00 https://markezine.jp/article/detail/15214

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