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マーケティング・プロフェッショナルズ

「顧客理解を深めるために、WEB事業部をCRM部門へ進化させる」─ 良品計画 奥谷孝司氏


 変化を続ける消費者の価値観や消費行動に、企業はどのように対応していけばいいのでしょうか。マーケティングコンサルタントのサイコス青葉哲郎氏が、第一線で活躍するマーケティングのプロフェッショナルに聞く対談連載。今回は、無印良品を展開する良品計画のWEB事業部を統括する奥谷孝司氏を訪ねました。Webを通じた顧客理解に取り組む、その意図を伺います。

今回お話を伺ったのは…
株式会社良品計画 WEB事業部長
奥谷孝司氏

1997年1月 株式会社良品計画入社。3年間の店舗経験の後、2年間取引先商社へ出向(ドイツ駐在)。家具、雑貨関連の商品開発、輸出入等貿易業務に従事。帰国後は世界のプロダクトデザイナーとのコラボレーションを手掛ける。「WorldMUJI」企画を運営。2003年には社内初となるインハウスデザイナーを有する企画デザイン室の立ち上げメンバーとなる。2005年衣服・雑貨部へ異動し、服飾雑貨のカテゴリーマネージャーとして、今や無印良品の代表商品でもある、かかとの角度が90度の「足なり直角靴下」の開発を担当。2010年2月よりWEB事業部長に就任。

第二新卒として入社、気付けば得意分野を活かせる部門へ

 青葉――奥谷さんは、アメリカの大学を卒業されているんですね。そもそも、なぜアメリカに?

 奥谷:高校時代に留学した経験があり、その流れから日本の大学に進学してもぱっとしなそうという印象を持っていました。短期集中型で取り組む受験勉強も苦手で(笑)。だから、入るのは簡単だけど4年間みっちり勉強しなくてはいけないアメリカの大学に行くことにしました。

 でも、帰国したら就職氷河期になっていて。人の紹介で大阪の人材派遣会社に勤めた後に、良品計画には第二新卒で入社しました。最初は皆が店舗勤務なので、僕も銀座一丁目のお店に丸3年勤めました。これは一店舗の勤務としては長い方なんですが、ただ、その後は予期せぬ展開が多かったですね。まず、本社への異動辞令があったと思ったら、すぐにヨーロッパで商品開発の勉強をしてくるようにと言われまして、取引先の商社のドイツ支社に出向することになりました。

 青葉――海外関係の仕事をしたいなど、希望を出されていたんですか?

 奥谷:いいえ、特には。それに、自分が商品開発に携わるという発想もなかったので、驚きました。これがちょうど2000年、28歳のときのことでした。でも行ってみたら、とても刺激的でしたね。2年後に帰国したときには、日本にもプロダクトデザインの重要性が認識され始めていて、当社でも世界各国のデザイナーを起用した「WORLD MUJI」のシリーズを展開することになり、それに携わりました。無印良品とは何か、それをデザインに落とし込むとどうなるのかと、優秀なデザイナーたちとたくさん意見を交わせたのはいい経験になりましたね。結果的に、当時はまだ珍しかったインハウスデザインを取り入れることにもつながりました。

 青葉――その後はまた、かなりいろいろな部署を経験されていますね。

 奥谷:そうなんです。生活雑貨、衣服など、ものづくりの部署を10年経験して、2010年の2月にWEB事業部に来ることになりました。そこに至るまでに経験として大きかったのは、大学院でMBAを取得したことですね。当社は比較的プロダクトアウト型ですが、やはり小売業にはマーケティングの概念が欠けているとずっと思っていました。

 それに、“デザインの時代”といっても生活空間に寄り添うデザインを追求した結果、良くも悪くもデザインが収束してきていました。当社が扱っているものは、他のどの店にもないイノベーティブなものというわけではないので、そうなると一層、デザインや機能を含めた無印良品ならではの良さを伝えるマーケティングをしていく必要があります。それで、ちょうどノー残業デーが導入されて夜が空いたこともあり、自分のためにも勉強しようと思ったんです。大学院には2008年から2010年まで通い、自分でもびっくりですが主席で卒業することができました。

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この記事の著者

青葉 哲郎(アオバ テツオ)

サイコス株式会社 代表取締役
東京都出身。明治大学政治経済学部卒業。1994年4月 ジャスコ (現イオン)入社。1995年マイクロソフト入社。トップセールスを経て、最年少ブランドマネージャに就任。MSN事業開発など担当。2001年インテリジェンス入社。マーケティング部を設立し『はたらくを楽しもう。』で同社を転職ブランド1位に。2008年リクルートエージェント入社。『転職に人間力を。』で新ブランドを立ち上げ、コスト減と広告効果の最適化...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/05/17 14:30 https://markezine.jp/article/detail/15222

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