ソーシャルメディアを通じて、アーティストとファンのブリッジに
Q. ソーシャルメディアの効果測定はどのように行っていますか?
宮崎:毎週社内でそれぞれのTwitterアカウントのフォロワー数を報告してもらっていて、Facebookのいいね数は自分で集計しています。自社サイトへの訪問者数やコンバージョンもアクセス解析ツールで測定しています。

Q. ソーシャルメディアの運用を始めてみて、変わったことはありますか?
宮崎:自社サイトの訪問者数が非常に増えました。Twitterからの流入で見ると、前年比で3倍くらいになっています。Facebookに関しても4倍くらいには増えていますね。流入元の全体で見ても、ソーシャルメディアが検索やダイレクトの次に入るほどになっているので、無視できないボリュームになっています。2月29日現在でTwitterが54アカウントあり、フォロワー数がのべ38万ほど。渋谷店でイベントを開催した時に、どこで情報を知って来店したかを聞いたら、Twitterと答えた人がたくさんいたので、お店の集客ツールとしても成果が出ていると実感しています。
Q. ソーシャルメディアを使ったキャンペーンは実施していますか?
宮崎:それぞれのお店でクーポン施策やプレゼント施策をやっていますが、私たちがソーシャルメディアを使ったキャンペーン用に持っている予算はありません。とにかくアイデア勝負ですね。コンテンツは作ろうと思えば作れるので、自分たちが手を動かすことでできることを一生懸命やっています。
Q. 目標としているゴールは何ですか?
宮崎:ゴールは売上です。ただ直接的に売上を立てるのは難しいと感じているので、まずは集客。ソーシャルメディアを利用して、お店やサイトへ集客したいです。これまでの成果は数字として見えてきているので、今後はK-POPだけでなく他のジャンルにも広げていきたいですね。
CDを買うだけなら他社で買っても同じかも知れない。でもソーシャルメディアを通じて、我々が“アーティストとファンのブリッジ”になれればいいなと思っています。タワーレコードの特長である手書きPOP同様、スタッフの思いをお客さまに伝えることで、タワーレコードを想起してもらえるようになりたいです。
インタビューを終えて
今回主にご紹介したYouTubeやUSTREAMの動画を使った施策は、ソーシャルメディア活用の中でも、特に上級者向けだと言えるでしょう。事前の準備はもちろん、配信中にリアルタイムでファンと一緒にコンテンツを作り上げるところまで、高度な気配りが求められるからです。しかし、そうして多くの労力をかけた分、同じ時間を共有して得られるエンゲージメントは、テキストだけのコミュニケーションに比べて、はるかに深いものになります。
タワーレコードがソーシャルメディアに求めるものは、ずばり売上です。ファンと同じ目線に立ち、ひとつひとつの施策を丁寧に積み重ねていくことが、高い目標の達成につながる。そんな理想のシナリオを実証してくれるのではないかと、今後も期待しています。