「製品カタログ」や定型の「営業提案書」を作っていませんか?
とはいえ、現状では、紙で作られた「製品カタログ」や定型の「営業提案書」をベースにWebサイトをつくるケースはまだまだ多い。
改めて考えてみると、そもそもカタログの情報は、紙として印刷をするため、無難な内容になりがちだ。ターゲットをなるべく広く、期間は長く使えるように制作をするため、リスクヘッジをして将来に変化がありそうな数値情報などは盛り込まれにくい。
カタログの目的からすればまっとうな指針だが、残念ながらWebサイトの素材として最適だとは言い難い。
定型の「営業提案書」なども、口頭で話す目的で作成されている。そのため、ある程度ヒアリングやコミュニケーションをとりながら時間をかけて説明を積み重ねる資料になりがちだ。読んだだけで理解されるように作られていないことも多い。やはり、短い時間で、かつ見て読んで関心を引かなければならないWebサイトの素材として最適だとは言い難いのだ。
紙ベースの資料に依存しすぎるとどうしても魅力的ではないWebサイトになりやすく、さらにはH社のケースのように営業プロセス上でも情報にバッティングが生じてしまう。
そういった状況を回避するためには、まずは紙を捨てる勇気を持たなければならない。思い切ってカタログや営業提案書のことを度外視して、Webコンテンツと向き合わなければならないのだ。
「コンテンツとしてWebに載せる内容がない」のジレンマ
Web向けにコンテンツを作らなければならない、ということは納得できたとしても、実際にコンテンツを作るには高い壁がある。
実際にWeb専用のコンテンツをつくろうとしてみたものの、結局カタログや提案書以外に「コンテンツとして載せるものがない」という話になり、紙媒体に戻ってしまったという経験がある人も多いだろう。
しかし、多くの企業のBtoBのWebマーケティング相談にのった経験から断言できるのは、既に一定の実績がある企業ならば絶対にWebに適したコンテンツがあるということだ。
部門を越えたデータの集計が必要であったり、営業部門への深いヒアリングが必要であったりと、苦労をするかもしれない。だが、魅力的なコンテンツの要素がない商品にそもそも売上がつくはずがないのだ。
例えば、図1を見て欲しい。これは、いろいろな営業力を訴求するためのコンテンツの例だ。
事例、実績、人物、データ、ノウハウに着目すれば、コンテンツを掘り下げたり、見せ方を変えることで同じ情報源からでも魅力的なWebコンテンツを作成できる可能性が見えてくる。例えば、事例を紹介するとしても、紹介方法によっても違いを出すことができる。
図2のように、同じ事例でも紹介のしかた次第で顧客への見え方は変わってくる。