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サイト改善の新たな武器「リアルタイム予測最適化」

 シマンテックでは予測分析をもとに常に自社サイトをテストしており、その数は月に100件を超えます。サイトを訪れた人に対して、正しいタイミングで正しいチャネルを通じて、正しい経験を与えることがミッションとなっています。

 シマンテックのサイト改善をリードしている、ノイハウス氏にはふたつのフィロソフィーがあります。ひとつは「何かを理解しようとするのであれば、その何かを変えてみよう」、そしてもうひとつは「変えるのにかかるコストが高ければ高いほど、変更はできないであろう」というものです。ウェブサイトの改善にもそのまま当てはまる言葉ではないでしょうか。

  シマンテックではこれらの方針に則って、つねに予測→テスト→評価を行っています。ノイハウス氏はその次の“武器”として、「リアルタイム予測最適化」という考え方を紹介しました。ユーザーの行動履歴をもとに次の行動を予測し、それに合ったコンテンツをリアルタイムで提供していくという最適化の方法です。

リアルタイム予測最適化のポイント

 リアルタイム予測最適化を実現するためには、ユーザーの行動をグルーピングして、そのルールに合ったコンテンツや体験を提供していく必要があります。そして、それはデバイス間を超えた最適化になっていることでしょう。

 このグルーピングは人間が行うと作成できる数が限られるため、機械が自動的に自由に作成・変化していくと考えられます。このような時代の到来に向けて、次のような点を考えておく必要があるでしょう。

  • 分析ができるタレントを雇うのか、借りるのか?
  • 体制をどのように構築するのか?
  • 自分たちで仕組みを作成するのか、それとも購入するのか?
  • ホスト環境? それとも自社環境?
  • どれくらいの頻度(速度)でサイトを改善していけるのか?

 どんな場合でも、まずはシンプルにすることで「実施」する回数を増やしていきます。複雑さは成功と共についてきます。

セッションに参加して感じたこと

 予測分析はアクセス解析において次のホットな話題になることでしょう。講演内容を聞いてもその必要性や可能性をものすごく感じました。

 しかし、現時点において難易度が高いのは事実です。たとえ予測ができたとしても、それをもとに本当に「ビジネス判断」を行っていいのかという不安が残ります。それは分析内容が複雑になり、自動化されていけばいくほど、人間が理解できなくなるからです。機械に任せるべき内容、そして人間の勘や考えが必要な箇所を定めていくことが大切なのではないでしょうか。これらを踏まえたうえで、ウェブサイトの分析に携わっている方は、ぜひ今後も継続してウォッチしていただきたい分野です。

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この記事の著者

関根 将成(セキネマサナリ)

さすらいのフリーライター。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2012/10/18 17:01 https://markezine.jp/article/detail/15459

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