デザイナー自らリサーチを行い、女性のニーズを理解する
では、そうした印象的なデザインを形づくる上で、最も重要なのは何でしょうか。―それはキャラクターです。
もちろん、UIやFlash等も大切ですが、ユーザーはまずTOPページからゲームに入ってくるので、ファーストビューに載せるキャラクターのインパクトが最重要です。また、リンクバナーやアイコン等にも扱えるので、キャラクターのインパクトが大きければ大きいほど、そこからゲームへの流入が見込めます。
では、インパクトが強いキャラクターはどうやって生み出せばいいのでしょうか。
やはり、肝心なのは市場リサーチです。キャラクターは商品に匹敵するので、一般的なマーケティングリサーチと同様の考え方ができます。
流れを箇条書きにすると以下のようになります。
- 目的を明確に設定する
- 他社の情報収集と分析を行う(もちろんゲーム以外も)
- 穴場を探す
- ニーズにマッチしているか再検討する
- 形にする
この流れの中で特に注意すべきは、一番初めの目的設定です。ここがブレると、目的に沿わないキャラクターを創ることになってしまうからです。
しかし、これはデザイナー独断で決定できる内容ではありません。そのプロジェクトの目的がどこにあり、そのターゲット層の趣味嗜好がどのようなものか考察する必要があります。
大手コンシューマーゲーム会社だと、プロのビジネスマーケターがリサーチしたりしますが、流れの早いソーシャルゲームにおいては、デザイナーが自分で考えなければなりません。
私の場合、ディレクターやプランナーと一緒に考える時はホワイトボードを使って要素を洗い出し、1人で考える時はマインドマップを利用しています。
このように色々な考察を重ね、数珠つなぎにして考えていくことで、目的に沿った具体的な根拠が抽出されます。
特に、仕様の方向性から、ライバルとなり得る競合他社のキャラクターについて徹底的に考える必要があります。同じプラットフォームの場合は、バナーが同じ画面に並ぶ可能性もあるので、相手の強みと弱みを知り、自分のタイトルはどこを目指せば差別化できるのかを具体的にイメージすべきだと思います。
他社のウリを理解すれば、必然的に落とし穴も見つかるので、そこに特化したイメージを狙うというのも手法の1つではないでしょうか。
分析の後、実際にカタチに落とし込む作業はセンスを伴う難しい作業ですが、ニーズを明確化することは、ある程度誰にでもできることだと思います。
ですので、プランナーにすべて丸投げするのではなく、最終的にモノを描くデザイナーも主体的に考える必要があるように思います。そうすることで、効率的かつ筋の通ったデザインに近づきます。