タスクフォースにおいて各人に求められるスキルとは
次に、マーケター・データサイエンティスト・データマネージャーそれぞれに求められるスキルについて見ていこう。
マーケター
- 重要なのは、データを利用してどのようなマーケティングが可能になるのかを構想できる能力。ここに精通していないと、データを使いこなせない。
- データは能動的に作らないと文脈を埋められない。文脈を埋めるためのデータが何で、どうしたらそのデータが得られるのかといった視点でのサービス企画力が必要。データを取るためのサービス・コンテンツといった発想のプランニングが求められる。
- Webに来てからコンバージョンまでの導線設計だけでは意味がなく、時系列でユーザーの行動を追ったコミュニケーションシナリオを立体的に設計する能力が必要。
- 情報システムやデータマイニングに対する一定の知識と理解がないと、会話が成り立たない。理想はデータマイニングをひとつでもやってみるべき。やってみて初めて理解が深まり、企画ができるようになる。
データサイエンティスト
- データマイニングのスキルは統計解析ではない。高いマイニング能力が必須。
- 構造化データと非構造化データを組み合わせて扱う能力。非構造化データを理解して使いこなせる人は相当少ない。
- Hadoopなどの分散処理技術や、NonSQL等への理解。データ要件を情報システム担当者に伝達できるだけの知識が求められる。
データマネージャー(情報システム担当者)
- マーケティングやデータマイニングに対する一定の知識と理解。
- Hadoop・インメモリDB・スケールアウト・クラウドなど、最新の情報システムテクノロジーへ精通していること。
- 構造化データ・非構造化データの連携、バッチとリアルタイムを使い分けた設計など、利用用途によって適合させられる能力が必要。
「ビッグデータ・ソーシャルメディア・自社メディア・他社メディアと、マーケティングの領域はどんどん広がっていて、もう他社の協力がないとカバーできません。
しかし、これらの技術・テクノロジーで、「何がどう可能なのかを見極める」「組み合わせてシナリオを作る」「マーケティングコミュニケーションを作る」といったことは、マーケターにしかできないこと。それがこれからのマーケティング責任者の役割になってくると思っています」。(中澤氏)