予測の精度って人に依存しますよね
小川:我々も予測分析に取り組んでいるところで、1~3か月くらいなら90%信頼区間の間に収まるんです。ただ、年間あるいは数年間というレベルだと、大量の過去データの蓄積が必要ということもあり、やはり精度は落ちますね。一応2~3年分のデータは入ってるんですけど、それをもとに1年予測するのは結構しんどくて。
清水:1年先の予測っていらなくないですか?
小川:我々がやりたかったのは1年で予測して、今回たてた目標に対してどれくらい足りないのかを事前に見立てて、集客予算を今期どれくらい積んでおこうかという話だったんです。
清水:年間の目標はある程度「えいやっ」と決めてしまって、スモールステップで、短期的な予測の精度を高めて着実に長期ゴールにつなげていくっていうほうが現実的なのかもしれない。でも結局、予測の精度って人に依存してるような印象がありますね。
小川:もともとインプットするデータとか、解釈の仕方含めてね。

清水:それに仮説は人間がつくるもんじゃないですか。マーケティングにおける予測分析って遅れてますよね。金融工学とかすごいじゃないですか。為替とか株とか。相当なお金をかけて何十年もかけて発達してきた。
小川:そっち行きますかね、そこまで。
清水:いや、行かないと思います。それはたぶんやりすぎ。(一同爆笑)
小川:そうだと思う。お金のかけどころはたぶんそこではないと思うんですよね。だったら実際に施策をやったほうがいいと思うんですよ。
清水:A/Bテストとか多変量解析も活用して、改善サイクルを短く多くまわしていく。
小川:それで自社サイト版の予測の仕組みができる。でもそれは他のサイトでは全然使えないもの。アトリビューション(分析)は、たぶんそんな感じだと思うんですよね。
清水:サイトによっても業界によっても企業によっても時期によっても違うし。
小川:そうなると、最初の話に戻りますけど既成のツールはつらいですよね。アトリビューションのモデルを自由につくれると言っても、結局それってカスタマイズじゃないですか。そうなると、本当にやってるところは自前の解析ツールになっちゃう。
押久保:話が一周ぐるっと戻りましたね。
縦横無尽なふたりの対話は、果たしてどこまで広がるのか? 中編をお楽しみに!