高い頻度でキャンペーンに参加してもらうことが深いブランド体験につながる
深いブランド体験を積んでもらうには、キャンペーンのストーリー性と同時に参加頻度の高さが重要になってきます。当たり前かもしれませんが、キャンペーンへ複数回参加してもらうことはそのブランド体験を深めることに繋がります。
ドンスーモキャンペーンでは、キャンペーンサイトのクイズやプレゼントのデジタルコンテンツを頻繁に変えることで再訪を促すだけではなく、「SUUMO JUMP」(スマートフォン向けゲームアプリ)で学んだユーザー同士が協力し合う機会を用意することで、キャンペーンへの参加者と参加回数が増えることを狙いました。
ドンスーモを探し出したことやキャンペーンサイトのソーシャルメディア上でのシェア回数をカウントし、その蓄積によって「ドンスーモの壁紙プレゼント」「ドンスーモグッズプレゼント」というゴールが段階的に達成されていく「ドンスーモの野望」というコンテンツを用意したのです。
「ドンスーモの野望を応援し、壁紙やオリジナルグッズをもらいたい」と思ってくれたカスタマーは頻度高くキャンペーンに参加し、ソーシャル上でのシェアを行ってくれました。それにより、15万カウントで達成されるドンスーモの最終的な野望、「ゲームアプリ“ドンスーモJUMP”制作」は2週間のキャンペーンが終わる前に早々と達成し、開発することが決定するほどに大きな盛り上がりをみせました。
潜在層に向けた「統合ブランドコミュニケーション」が検討層をも動かす
潜在層に向けた「統合ブランドコミュニケーション」を実施した結果、キャンペーンの効果は経年で測定してる自社調査で過去最大のものとなりました。
SUUMOブランド立ち上げ時をピークに少しずつ下がってきていたSUUMOブランドに対する好意度は、過去最高を記録。また、「住まい探し」とは全く関係のない「ドンスーモを探せ」というメッセージだけで展開したにも関わらず、物件情報を掲載するSUUMOの本サイトの利用経験も前回調査比20%も向上しました。つまり、潜在層にSUUMOブランドを体験してもらうことを狙ったコミュニケーションが、検討層にSUUMOサイトを利用してもらうことにつながったのです。

第1回にお話しした通り、低頻度×高単価商材である住宅を扱うSUUMOサイトの利用経験率を上げることはそう簡単ではありません。それが、潜在層へアプローチし統合ブランドコミュニケーションを行うことでブランド体験を積んでもらうことが、結果的に検討層をも動かすということは私たちにとって大きな発見でした。
ドンスーモの登場は新規顧客の開拓も目的としていましたが、スーモ、ドンスーモに対して「とても好き」と答えた人の割合が、ドンスーモに対しては男性の方が多い結果となりました。また住宅の検討属性では、若年層が多い賃貸検討者の方がより多くドンスーモを選ぶという結果が出ました。ドンスーモという新しいキャラクターは、それまでスーモだけではアプローチしきれていなかった若年男性層に、受け入れられたことが分かったのです。新しいキャラクターを投入し、新しい顧客層を開拓できたこともキャラクター戦略の有効性を示す発見となりました。
