O2Oにより、顧客の流れをネットからリアル店舗へ
レジや売り場まで特定できる技術に関しては、すでにタッチしてクーポンを得る、電子マネーで決済するといった方向からセキュリティレベルが高い技術が確立されている。また双方向通信も可能であることから、「デジタルサイネージなどを用いたユーザー体験によるロイヤルティの向上は十分に行える」と柴田氏は語る。
消費者が接触する情報が膨大になり、またメディアも細分化したことで、マス広告の効果が薄れ、各施策の効果測定も行いにくくなっている。今、多くの小売店舗がこうした課題に直面している。さらに、店舗をショーウィンドウとして実際の購買はECで価格を比較し決済する、といった「オフラインtoオンライン」の行動も現れてしまっている。
だが、「こうしたピンチはチャンスでもあり、大きなターニングポイント」だと柴田氏。
「顧客に直接対面しているリアル店舗には、ネット上のユーザー行動からは分からない情報が蓄積され、本来は購買の場として優位な立場。消費者が情報収集、意思決定、決済のプロセスをオンライン・オフラインの区別なく行っているからこそ、O2Oの流れを効果的に取り入れることで、さらなる集客や購買促進につなげられるはず」と語り、O2Oが小売業にもたらす可能性を示唆して講演を締めくくった。
