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読めばナットク!インターネット広告10の誤解

誤解01インターネットは第5のマスメディアである


今、インターネット広告の市場は急速に拡大している。ブロードバンドの普及によるインターネットの利用時間の拡大やインターネット技術の進化によって、これからも市場は拡大していくだろう。しかし、インターネット広告と一口にいっても、バナー広告、テキスト広告、電子メール広告、ストリーミング広告、検索連動型広告、など種類が豊富の上、それぞれのノウハウも異なる。そのため正しい理解が得られず、十分に活用できていない担当者も多いのではないだろうか?

 そこで、このコラムではオンラインマーケティング担当者が陥りやすいインターネット広告に対する「誤解」をやさしく解き明かしていきたい。第一回目は、「インターネット広告は第5のマスメディアである」という偏見について解説していく。

インターネットは第5のメディア?

 インターネットは、マス4メディアに次ぐメディアという意味で、第5のメディアと呼ばれることがある。しかし、それを鵜呑みにしてはいけない。視点を変えれば、インターネットは第1のメディアとも、第2のメディアともいえるのだ。もしかしたら、そもそもインターネットをマスメディアと呼ぶことについて、違和感を抱く方も少なくないかもしれない。マスメディアはマス4メディアとも呼ばれるとおり、一般的にはテレビ、ラジオ、新聞、雑誌を指すことが多いからだ。しかし、インターネットをそれらのメディアと同列でとらえることは、不自然なことだろうか。

巨大なメディアへ成長

 総務省の「平成17年版情報通信白書」によれば、パソコンを通じたインターネット利用者は2004年末に6,416万人にまで拡大している。携帯電話からの利用を含めれば7,948万人がインターネット利用者である。また、ヤフージャパンの2006年3月の閲覧ページ数は331億ページを記録している。331億ページというのは想像しにくいが、6,416万人が毎日17ページずつ閲覧しないと達成できないような途方もない数字だ。インターネットは、それだけ大衆に支持された巨大なメディアに成長している。 

 インターネットを第5のマスメディアと捉えるべきではないというのは、比較する指標によって順序が変動するからだ。歴史の浅さに注目すれば、確かにインターネットは第5のメディアかもしれない。しかし、利用者数や利用時間に注目すれば、性別や年代によっては決して第5のメディアではない。むしろ若年層では、インターネット利用時間がテレビ視聴時間を上回る人も少なくない。また、購買意思決定への影響度に注目しても、商品カテゴリーによっては決して第5のメディアではない。自動車などの高関与商品のマーケティングにとって、インターネットはもはや欠かせないメディアといえる。

メディアニュートラルな視点を持つ

 インターネットが第5のマスメディアでないことは、広告費の統計からも明らかになってきた。電通が発行している「日本の広告費」によると、インターネット広告費は2004年にラジオ広告費を抜き、テレビ、新聞、雑誌に次ぐ規模となった。2007年には雑誌広告費を抜き、第3のメディアとなる見込みだ。(注1)広告市場の規模ではなく成長率という点では、インターネットは他メディアを圧倒している。その上でインターネットをマーケティングに活用していくうえでは、インターネットは第5のメディアという既成概念を捨てなければならない。なぜならばインターネットの重要性は、マーケティングの目的、商品カテゴリー、ターゲットなどによって、それぞれのマーケッターが判断すべきものであるからだ。

 インターネットを第5のマスメディアと捉えてしまうと、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌の活用を優先して立案することになり、インターネットはそれらを補完する位置付けとなりがちだ。メディアに対する序列の偏見は何の役にも立たない。各メディアを中立的に評価するメディアニュートラルな視点に立てば、インターネットを中核として、テレビや新聞をその補完とするようなキャンペーンも立案できるだろう。あるいは、テレビや新聞ではなく、折り込みチラシや街頭で配布されるポケットティッシュにも新たな価値を見出せるかもしれない。

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この記事の著者

太駄 健司(オオタ ケンジ)

インターネット広告について研究しており、「インターネット広告のひみつ」でその内容を公開している。大手総合広告会社に勤務。マーケティングセクション、インターネットメディアセクション(メディアレップへ出向)を経て、現在は複数メディアを組み合わせたクロスメディアコミュニケーションのプランニングを担当している。

著書
...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2006/07/12 21:16 https://markezine.jp/article/detail/16

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