海外の広告・宣伝・プロモーション事例情報を提供している「ブログタイムズBLOG」からの厳選記事を紹介するこの連載。今回は、アルツハイマー病患者が体験している世界をWebサイトで疑似体験する、数々の広告賞を獲得した広告のお話です。毎週水曜日更新。
- 時期:2012年
- 国名:カナダ
- 団体名:Société Alzheimer Canada
- ジャンル:慈善
Webの情報が消えていく……、アルツハイマー病患者の世界を疑似体験
カナダで活動するアルツハイマー病患者の支援団体「Société Alzheimer」による、市民への啓発と寄付金を集めるために仕掛けたWeb広告。アルツハイマー病は、病気の進行とともに記憶障害などが進む認知症として知られていますが、病気発症の初期段階においては、特に「短期記憶(“さっき食べたもの”などの少し前に体験した記憶)」が思い出せなくなるという症状が現れるようです。
今回のプロモーションは、そんなアルツハイマー病患者特有の辛い“症状”をWeb上で疑似体験してもらうという企画です。
こちらがカナダのポータルサイトで出稿された広告。右上にある白っぽいレクタングルが、同団体の広告です。
これだけ見るとただのレクタングルですが、この広告が表示されているサイトをユーザーが下方向にスクロールしていき……
「やっぱりもう一度上のコンテンツを見よう」と思って、ユーザーが上部にスクロールしていくと、何と右サイドにあったレクタングル広告以外すべてのコンテンツがまっさらになっているという仕掛けが施されています。
まさに「ほんの少し前に見た(体験した)情報が突然消えてしまう」という、アルツハイマー病患者の初期症状をWebサイトをスクロールするだけで、疑似体験できてしまうという企画。この仕掛けの結果、広告のクリック率は通常のバナー広告に比べて400%も増加しました。
こちらの施策は、「Marketing Awards 2012」、「Official Honoree at the Webby Awards 2012」、「Applied Arts 2012」「Prix Créa 2012」「Prix Média 2012 」などの広告コンテストでも表彰されたそうです。
ポータルサイトを閲覧する人の何割かが、訪問時にとりあえず“上から下までどんな情報があるかをスクロールしてみる”という行動をとることを前提にして考案された施策のようですね。バナー広告を出稿する前に、事前にどのサイトがそういった行動をするユーザーが多いかを媒体側にヒアリングしたんだろうな、と感じます。
体験した人にはメッセージがズバっと伝わる、とても秀逸なインタラクティブ広告でした。
動画はコチラ
参考サイト
先週の紹介キャンペーン
記事転載元:ブログタイムズBLOG
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