グローバルコミュニケーションの要はシンプルさ
無印良品はMUJI LIFE「自分の棚」をつくろうという、顧客に自分らしさを表現してもらうサービスを提供している。2011年11月のスタートから8か月、93か国約90,500名の利用者がいる。ネット上の棚に無印良品の商品やお気に入りの本などを並べて、友人と棚の情報を共有できる。無印良品のアイテムを中心としたコミュニケーションプラットフォームという位置付けであり、FacebookやTwitter、mixiのアカウントで利用できる。このサービスの特徴はシンプルということ。このシンプルさ、すなわち言語(説明)を必要としない点が、グローバルコミュニケーションの要だ。

「グローバルコミュニケーションにはゲームなど、あまり言語や説明を必要としないものが適しています。シンプルなMUJI LIFEを体験していただくことで、MUJI LIFEを通じて世界とつながることができます」
「BtoC」から「BwithC」へ
「ペイドメディア、マスコミュニケーションで100万人に大声で叫ぶ時代は終わりました。今は『100x100x100』で、いかに100人にきちんと深く伝えていくかが重要な時代になっています。共感とともに、人から人に情報のバケツリレーを起こすストーリーが必要です」
顧客に何を言うかではなく、いまや人々に共感してもらう時代になった。
「無印良品にとってソーシャルメディアは、無印のコアファンが集まるイベント会場という認識です。ソーシャルメディアでの顧客との会話は一見非効率だけど、ブランディングと同じように、やり続けることに意味があります」と奥谷氏は講演を締めくくった。