男性目線で作り込みすぎず、“突っ込みどころ”を残しておく
ヒットする女子ゲーの法則6:“あざとい”と“天然”を使い分ける
難しいラインではあるが、こちらが自信を持って「こういうのが好みでしょう」と提供するものは反応が悪いことがある。
提供側は、記号的なかわいさや特殊な語尾など、明らかに好みを狙っていると分かるような“あざとさ”と、つい突っ込みたくなるような不完全さ、間が抜けたところを残しておく“天然さ”のバランスをうまく取ることが大事だ。端的な例では、「農園ホッコリーナ」のピーターパンをテーマにしたイベントでは、ウェンディを豚のキャラクターにした。世界観を作り込みすぎると、距離ができてしまう場合もある。
ヒットする女子ゲーの法則7:思わず出てしまう男性視点に注意
言ってしまえば当たり前だが、ゲームをおもしろくしようとすればするほど、男性の視点だと複雑な要素を加えてしまったり、アクションに凝ったりすることがある。そうなると、隙間時間にちょっとした楽しさや達成感を求めているユーザーとすぐに距離ができてしまう。
クリアの仕方を検索しないと分からないようなものは、なかなか受け入れられない。多少複雑であったとしても、やっていれば自然とゴールに近づくものが望ましい。
耳を傾けるべきは、業界人でなくユーザーの声
ヒットする女子ゲーの法則8:対同業者ではなく、ユーザーを見る
徹底的にユーザー視点に立ち、その代表になったつもりでも、私はゲームの企画側である。チーム内で議論などになった際に、自信をもって「こちらの案がよい」と言えるには、やはり常に変化しているリアルなユーザー像を見つめることが第一だ。
つい、同業者の類似ゲームが装備した機能やその反響が気になってしまうが、向き合うべきは同業者ではなく、ユーザーである。ゲームについてどんなふうにコメントされているか、いつも把握し、真摯に受け止めることが大切だと考えている。
ヒットする女子ゲーの法則9:普通でもうれしい、課金したらさらに
課金に対する考え方は人それぞれで、ある割合のユーザーは絶対に課金しない。特にソーシャルゲームの裾野が広がってライトユーザーが増えている今、あまり課金にこだわるのは得策とは思えない。
無料で楽しめるゲームとしてシナリオをしっかり組んだ上で、例えば時間のない人が早く進みたいなどの個別の要望を満たすオプションとして課金の選択肢を設けるのが適切だろう。
次回は、これらのポイントが実際の女子ゲーにどう活かされているか、現場の声とともに紹介する。
