高まる「ASO」の重要性
海外では、App Store Optimization(ASO)という概念が普及してきているそう。ご存知の通り、SEOはSearch Engine Optimization。同じ理屈をスマートフォンのApp Storeに当てはめたもの。広告やプロモーションに頼ることなく、App Store内のオーガニックな順位でユーザを獲得していく。ウェブサイトに例えるなら、AdWordsなどにお金をかけてトラフィックを誘導するのか、それともSEO対策を地道に施して純検索で検索結果の順位をあげるのかの違い。
App Storeの検索エンジンは絶えず変化
気をつけたいのは、どうもAppleはAppStoreの検索エンジンを頻繁にチューニングしているということ。8月28日頃にも検索エンジンのアルゴリズムに大規模な変更があり、柴田さんによると、今年Appleが買収したChompという会社の検索エンジンが使われ始めた可能性が高いとのこと。
具体的にレシピ系アプリを例にとって話してみましょ。レシピといえば王道はクックパッドさま。そしてクックパッドもiPhoneアプリをリリースしてる。以前は、App Storeで「レシピ」というキーワードで検索してみると、残念ながらクックパッドのレシピは検索結果のファーストビューに出てこなかった。
ところが、今回の変更以降、App Storeで「レシピ」というキーワードで検索すると、クックパッドのアプリが2位(8月31日現在)にランクイン。どうも今回の変更で、以前に比べて人気アプリが検索結果で上位に出るようになったみたい。

大事なのはアプリ名に含まれるキーワード
それでもまだ、「レシピ」で検索した場合クックパッドのアプリは1位じゃない。Google(ウェブ)で「レシピ」と検索すると1位なのに…。この点について柴田さんに聞いてみたところ、ひとつの原因として考えられるのは、まだApp Storeの検索エンジンが発展途中であること。以前よりは改善されたとはいえ、人気アプリが必ずしも検索結果で上位に出てこないんだそう。逆にいえば、これは多くのアプリ開発者にとってチャンス。Appleはこの問題を解決するためにChompというアプリ専門の検索エンジンの会社を買収して、頻繁な改善を行なっているので今後の改善が期待されるところ。
2つ目の原因は、App Store SEO対策が十分に行われていない可能性。これは現在アプリを提供している多くの開発者や企業に当てはまる。柴田さんによると、現在の日本のApp Storeの検索エンジンでは、「アプリ名に重要キーワードを含める」ことが重要視されている。つまり、例えば「クックパッド」というアプリ名を「クックパッド ―料理レシピ検索」などとするだけで、「レシピ」というキーワードでの検索経由のダウンロード増が見込めることに。