来訪後の経過期間も要素に加えることで、より緻密なシナリオを実現
ユーザーニーズとCVR期待値の掛け合わせによるセグメンテーションに、もう1つの要素を加えることで、より緻密なシナリオを実現することもできる。その要素とは、サイト来訪後の経過期間(マーク期間)だ。
先ほどの例で言えば、「単価の高い【アウター】を【カートに入れた】が購入しなかったユーザー」は、近いうちにどこかのECサイトでアウターを購入するはず。
来訪後、数日間は単価設定を高めにしてマークすべきだが、時間が経つに連れて、別のECサイトで購入済みになった可能性が高まってくる。マーク後の経過期間に応じて、単価は下げていくべきだろう。
一方、「単価の低い【インナー】の広告に食いついたが【LP止まり】だったユーザー」は、まだ「何となく新しいインナーが欲しいな」とニーズを感じ始めたばかりなのかもしれない。こちらは逆に短期間で勝負せず、長期的に入札単価を維持することで「1枚ダメになったから、新しく買うか」と思ったタイミングで捕捉できる確率が高くなる。
「そのようにキャンペーン設計をしておいて、あとは運用しながらCPAを見て、入札単価を調整する。単純にリターゲティングで広告配信するのとは雲泥の差がつきます」
「運用重視だと手間が掛かって大変」を解消する機能
ただ、そこまで精度を上げて運用していくと、運用に掛かる工数を無視できなくなってくる。先の例でいくと30~40ものキャンペーンを作り、管理しなくてはならない。
Bypassはそうした運用に掛かる手間にも配慮し、キャンペーン管理の機能を改修。以前はキャンペーンと広告クリエイティブ群を直接紐付けていたが、キャンペーンの1階層下に広告グループを置けるようにした。より思い描いたとおりにキャンペーンを設計できるようになったわけだ。
広告運用のレポートが、キャンペーン/広告グループを複数選択して横断分析できるようになったのもうれしいポイント。適宜グループにまとめて運用実績をすぐ確認できるようになったことで、適切な施策を打ちやすくなった。
もう1つ忘れてはならないのは、先に触れた広告配信の自動最適化機能。「運用実績を見て、セグメントごとに入札単価を調整」と言うとものすごく手間が掛かりそうだが、実際は自動最適化機能に任せてしまえばいい。
Bypassの場合、自動最適化機能が効果を発揮し始めるのは、コンバージョン数が30件を越えるあたりから。そこまではセグメントごとに手動で調整していく必要があるが、そこから先の手間はほとんど掛からなくない。