ついにiPhoneにおサイフ機能掲載か
奇抜な発想とそれを支える優れた操作性でスマートフォンの代名詞となったiPhone。日本でも、スティーブ・ジョブスの神話と相まって熱狂的ファンは多い。しかし、iPhoneユーザーたちが一様に口を揃えるのは、Suicaや楽天Edyを使えるおサイフ機能(非接触ICチップ)が搭載されていないのが残念ということだ。わざわざSuicaカードを本体ケースに挟んでなんちゃってモバイルSuicaにしたり、特別なシールを貼って、楽天Edyやnanaco、WAONのいずれかを搭載する人もいる。
それに対して、アンドロイド型スマートフォンは、おサイフ機能が載った機種も多い。そのため、iPhoneに惹かれるものの、アンドロイドに走るユーザーが多いのも事実だ。つまり、おサイフ携帯大国の日本では、iPhoneの最大の短所といえた。
そんな中、この悩みがついに解決されるXデーが来た。新機種のiPhone5にはおサイフ機能が搭載されるという噂が流れたために、多くのファンが期待したのだ。ただ、ここで注意したいのは、新機種に搭載されるおサイフ機能(非接触ICチップ)は国産のフェリカではなく、国際標準規格のNFCになるといわれたことだ。ご存じのように、アップルが採用するサービスは「世界の人たちが同じように使えるもの」がモットー。すべて国際標準に則ったものを使う。だから、ほぼ日本でしか使えないフェリカは採用されず、世界中で通用するNFCが選ばれることになったのだ。
ファンの期待は裏切られた
米国時間で9月12日(日本時間9月13日午前2時)、ついにiPhone5の詳細が発表された。新機種は、全体に画面が大きくなり、軽量化が進んだ。LTEが採用されて通信速度も早くなるなど、基本的な部分での改良が施されていた。ところが、お目当てのおサイフ機能、すなわちNFC搭載については見送りと発表されたのだ。これには、多くのiPhoneファンは面食らった。99%載ってくるものと思っていたから、受けた衝撃は大きかった。
そういえば、発表の一週間くらい前から動きがおかしかった。アップルの情報統制には定評があり、なかなか真実は伝わってこない。そのような状況下で、漏れてくる情報を元に評論家たちがいろいろ推測する。NFCに関しては「見慣れないアンテナがたっているから、それを使ってNFC通信をするにちがいない」とか、「チップを入れるところに苦労している」など、もっともらしい話がたくさんでてきた。
しかし、そんな中で、発表が近づいてきてでてきたのは、「今回NFCは見送りになる」という噂だった。いつもこの手の話はでてきては消えるものだが、今度だけはネットでの書き込みが次々に増えたので、私も一抹の不安を感じていた。