2011年のスマートフォン出荷台数は前年比45.1%増の7億1750万台。スマートフォンが普及するにつれて、消費者の生活スタイルは変わりつつある。今回は「決済」という視点から、スマートフォン時代に求められるサービスや変容する企業のマーケティングについて、電子マネー市場に知見の深い岩田氏が解説する。(バックナンバーはこちら)
カード先進国「韓国」から垣間見たスマホ決済サービスの未来
韓国は世界でも有数なカード先進国だ。一昨年、韓国へ旅行した時にそれを実感した。タクシーを降りる時、韓国に住む友人が非接触IC付きスマートフォンで料金を支払ったのだが、決済直後に明細を記したメールが届いてびっくりした。
日本ではスマートフォンで支払うことはあってもカード会社から瞬時にメールが届くことはない。そして友人はその記録を家計簿代わりに使っていると、当然のように言っていた。日本では、スマートフォンに届いた利用控えを家計簿として大切に使っている人など見たこともない。
カード会社はメインカード化の「切り札」としてこのスマ―トフォンサービスに力を入れているというが、クレジットカード分野の次のトレンドを目撃した気がした。
スマホで変わる消費者の生活スタイル
米IDCが2012年12月に公表した市場推計によると、2012年の携帯電話 世界出荷台数は前年比1.4%増の約17億台にとどまり、過去3年間で最も低い成長率になった。一方でスマートフォンの出荷台数は前年比45.1%増の7億1750万台と、高成長が続くと予測している。携帯電話市場に占める割合も2014年にはフューチャーフォンを逆転するといわれ、この勢いは当分止まりそうもない。
スマートフォンを携帯電話の延長の通信機器のように思っている人もいるかもしれないが、これは小さなパソコンであって、全く新しいメディアだ。そして、私たちの生活スタイルを大きく変える影響力のある機器である。
例えばテレビやパソコンを買いたい時、かつては一番安い店を探すのに以前は電気街を一軒一軒回ったものだが、いまはスマホの比較サイトで一番安い店を探してから行くようになった。これまでのような労力と時間をかける必要はなくなったのだ。
そして、デートの仕方も変わった。以前は彼女と食事をするレストランを事前に決めておいたものだが、今は現地で落ち合ってからでも何とかなる。どの店でクーポンが使えるのか、どんなキャンペーンをやっているのか、GPS機能を使えば簡単に探すことができる。スマ―トフォンを駆使すれば、デートの準備にかける時間を短縮することができる。この革命は、すごいことである。
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岩田 昭男(イワタ アキオ)
1952年生まれ。早稲田大学第一文学部卒業。同大学院修士課程終了。月刊誌記者を経て、現在、流通、クレジットカード、電子マネーに強いジャーナリストとして活躍中。著書に『「信用偏差値」あなたを格付けする』(文春新書)、『電子マネー最終戦争』(洋泉社)など多数。最近は宝島社やプレジデント社からクレジットカード&電子マネー、スマホ関連のムックを精力的にだしている。最強のカード選び『岩田昭男のカード道場』、スマホで電子マネーを使ってお得をとる方法を解説した『岩田昭男の三点セット診断』、また『All About』でクレジットカードガイドを務める。
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