ネットワーク広告の矛盾-配信先拡大と重複排除に同時に取り組む
CV数を増やすためには、配信先を拡大し、露出(imp)機会を増やす必要がある。つまり、配信するネットワーク数を増やすのだ。逆に、掲載面やネットワーク間の重複が増えると余分なコストが発生しやすくなってしまう。だから、ネットワーク運用担当者は「配信先拡大+重複排除」という矛盾に取り組まなければならない。掲載面の重複が増えると、なぜ余分なコストが発生するのか、考えていこう。広告が表示されるまでの大まかな流れを見てみたい。
上の図からもわかる通り、同じ掲載面に対して複数の買い付け(入札)希望があった場合、eCPM(eCPM=CPC×CTR×1000、メディア収益を表す指標)が高い広告が選ばれる。同一掲載面に対し、二重三重に入札するとコストが増加する可能性が見てとれるだろう。つまり、配信するネットワーク数が増えるほど、同一広告案件で同一メディアへ入札するリスクは高まる。DSPとADネットワークで細かい仕組みは異なるが、考え方は一緒ととらえてよいだろう。すなわち、「配信先拡大(CV数増加)+重複排除(コスト抑制)」を突き詰めた場合、理想形はMECEな状態、つまり漏れがなく、ダブりもない状態だ。
ネットワーク広告で広告表示回数を増やすには、メディア収益を高めよ
CTRを改善する事で、1:imp増加(結果として、CV数増加)、2:コスト抑制の2つの効果が期待できる。スマートフォンでは、いまだCPC課金のネットワーク広告が主流なので、CPAを合わせるためにはCVR改善に目がいきやすい(CPA=CPC/CVRのため、分母のCVRが大きくなるほどCPAは下がる)。CTRとCVRはシーソーの関係になりやすく、CVRを上げるとCTRが下がりやすい。
例えば、バナーにクリックインセンティブを付与した場合、クリックが目的となり、その後のCVに繋がりづらい。逆に、バナーの訴求ポイントに絞ると、反応するユーザーが狭まり、CTRは下がるが、サイトへ来訪したユーザーはCVに繋がり易くなりCVRが上がりやすくなる。
下の図のように、ネットワーク広告において広告表示回数を増やしたい場合、eCPM(eCPM=CPC×CTR×1000、メディア収益を表す指標)を高める必要がある。つまり、CPC課金の場合でも、CVR改善だけでなく、CTRも高める事を念頭に置くべきだ。
また、下記の事例からもわかる通り、1:CTRを上昇させることで、2:CPCが下がる+3:同時にimpが増加するという好循環を実現できる。