オフラインとオンラインの情報がつながる世界
先にも述べたが、オンラインとオフラインの垣根はユーザーにとっては不自由でしかない。そしてデジタル化した情報は、プラットフォームの技術的革新によってマーケティング成果の向上につながる。
次のステップとしては、オフラインにしかない情報をオンライン化することでさらなるマーケティング成果の向上につなげていく。オフラインにしかない情報の最も大きなものとして、たとえば小売店に実際に並んでいる商品のステータスがあげられる。どの店舗で売っているのか、在庫はあるのか、価格はいくらなのか。現状ではデータが断絶しており、ほとんどわからない。
オンラインの情報が流通総額に与える影響の大きさについては、21.8兆円の消費にインターネットが関与しているという野村総研の調査結果が出ている。これは日本の消費支出規模約110兆の約2割のインパクトであるが、少なすぎると言えるかもしれない。さらに米国では、Deloitteの調査によれば、スマートフォンユーザーの61%が店内での購買動機に影響を与えているという。
これらのデータがあらわすことは、インターネットがマーケティングに与える最も大きな影響はインターネット上での購買といったダイレクトなものではないということだ。つまり、ユーザーが実際の店舗情報とオンラインの情報を行き来し、最も最適な状態で購買を行うハブになるということだろう。ショールーミングは実店舗にとってネガティブにとらえられることが多いけれども、ユーザーはもうその行動を起こしている。
日本においてもすでに消費支出の20%に影響を与えているのであれば、商品に関するステータス情報を鮮度良く保つことは実店舗にとってポジティブに影響するはずだ。
そしてさらに、下図からビッグデータを活用することで競合企業の売上、EBITDAに差がつくことがわかる。オンライン小売り事業は当然としても、影響が大きな業種には、大規模流通、食品などリアルでの販売をメインとしてきた業態も並んでいる。
ビッグデータの活用に取り組み、情報の鮮度を保ちながらさまざまなプラットフォームにデータを最適化させていくことは、これからのスマートフォン時代のマーケティングに欠かせないだろう。オプトのソリューションがその手助けになれれば幸いである。