SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

イベントレポート(AD)

「インバウンドマーケティング+CRM」を実現するSynergy!360でマーケティング新時代を切り拓く

 シナジーマーケティング社が主催する「Marketing Alliance Forum 2012」で行われた、シナジーマーケティング株式会社 取締役兼COO 田代正雄氏のプレゼンテーションの模様をお届けする。新たな潮流「インバウンドマーケティング」を実現するために、同社が提供するソリューションとマーケティングの未来像とは?

シナジーマーケティングが消費者行動予測に取り組むわけ

シナジーマーケティング株式会社取締役兼COO 田代正雄氏
シナジーマーケティング株式会社
取締役兼COO
田代正雄氏

 4000件を超えるクラウドサービスの契約実績を誇るシナジーマーケティング社。同社のビジネスは、2005年から多くの企業に愛されてきたコミュニケーション・プラットフォーム「Synergy!」を中心に展開する“クラウドサービス”と、顧客の成果の最大化のために人的サービスを提供する“エージェントサービス”の2本柱で成り立っている。

 Synergy!から派生する形で、REVAMP社と共同開発した「curuzo」(FeliCaとPOSを連動させたOtoOサービス)と、「Synergy!LEAD on force.com」(BtoB向けのSalesforceと連動する国内初のマーケティングシステム)の2つのサービスが存在するが、今後の事業展開として田代氏は、「消費者行動予測に力を入れるために、新たに加わったSynergy!360とiNSIGHTBOXに資本を投下していきたい」と述べた。

 なぜ、シナジーマーケティングが消費者行動予測に注力するのか。その理由について、田代氏は「我々のお客さまのデータはお客さまの持ち物ではあるが、統計的なデータを共有していくことで、お客さま同士でより成果を上げられるようなシステムへと進化させていきたい」と語り、以下の図をもとに、“今まで”と“これから”を比較しながら、マーケティング手法に起こりつつあるパラダイムシフトについて言及した。

誰に:今までは、性別・年代・住所など属性によるカテゴライズでセグメンテーションしてアプローチしていた。この形も今まで同様に続けながら、今後は定量・定性からのカテゴライズにアプローチする必要がある。この新たな手法では、人や商品にタグを付けていき、その相関関係によってアクションを変えていく。シナジーマーケティングでは、約5年前から慶應義塾大学の井上哲浩教授とともにアルゴリズムを構築し、昨年「iNSIGHTBOX」という形でリリースした。コンバージョンが5~6倍に上がるケースも出てきている。

どのように:これから求められる動的アプローチとは、日々変化するお客さまの今を把握するための取り組みだ。お客さまにスコアを付けて可視化することで、現状そのお客さまがどれだけのポテンシャルを持っているかが瞬時に判別できるようになる。

誰が予測する?:今までは、マーケターが頭をひねってデータを分析しながら予測していたが、これからは極力システムで行えるように、Synergy!360で設計を進めている。最終的には、こういったアクションをするのであれば、この人たちにアプローチしたら、これだけの確率でコンバージョンしますといったところまで、システムが推奨してくれるような形に持っていきたい。

価値:これからマーケターが頭をひねって時間を使うべきところは、プランニングやコンテンツ制作といった、よりクリエイティブな分野である。そのために消費者行動予測でマーケターを支援できるシステムへの第一歩が、Synergy!360とiNSIGHTBOXだ。

インバウンドマーケティング+CRMの先にあるものとは

 昨今、話題となっているインバウンドマーケティングとは、2006年HubSpot社が提唱したもの。ユーザーが行う検索や、ソーシャルメディア、ブログなどを通して、潜在顧客に自社の存在を知ってもらうことによって顧客化するようなマーケティング手法を指す。従来のマスメディアを使って情報発信するアウトバウンドマーケティングと比較すると、その違いは次のようにまとめられる。

 このインバウンドマーケティングの概念を、シナジーマーケティングが得意とするCRMに取り入れることで、機を逸しない、企業と消費者の心地よい関係を作り出すことができると田代氏は語り、「ターゲット」「設計」「コミュニケーション」の3つの視点に分けて解説を加えた。

ターゲット

 「たくさん買ってくれる(ヘビーユーザー)」「たくさん話題にしてくれる(インフルエンサー)」「たくさん反応をしてくれる(接触ユーザー)」といったようなアンバサダーが誰なのかを、データベースにフラグを立てる形で明確にする。“私(企業)に強い興味をもってくれている”優良顧客(ファン)を知ることで投資すべき対象がわかり、企業が消費者を選別できる時代になる。

 集客し、顧客化し、優良化するというプロセスは、これからも変わらない。ただ、誰がファンになったのか、なぜ優良化したのかという結果から逆算して、その人たちがどこから来たのかをたどることで、どんな施策を打つべきかが自ずと導き出されるようになる。現状のデータベースの中にある結果をもとにしたコミュニケーションデザインが重要だ。

設計

 コミュニケーションデザインとは、企業と消費者の目指す関係性(ゴール)に対するアウトライン設計のことであり、メディアプランニング(広告/PR)・クリエイティブプランニング・CRMといった手法を用いた“空気づくり&場づくり”を適切に行うための羅針盤のようなもの。これからの時代で特に重要なのは空気づくりの部分。お客さまが自然と自社の言葉や文化に触れ、正確な情報を受け取れるよう、キュレーションすることが求められる。

 一方、場づくりで重要なのは、自社から発信する情報に外部性を加えることである。そのために有効なのは、外部性のある自社メディア(自社コミュニティなど)を作り、顧客のステージに合わせていろんな情報を流通させていくことだ。外部性を加えることで、情報に信憑性を持たせることができる。ここにたどり着くには、時間が必要であり、設計が重要な役割を果たすことを忘れてはならない。

コミュニケーション

 我々が最も重要だと考えるのは、単発のコンバージョンに至るまでのROI(Return On Investment)ではなく、最終的なLTV(Life Time Value)の評価である。集めたお客さまがどこまで成長したのか、自社にとってLTVが高いお客さまかどうなのか、そこまで知ることがCRMの活動となる。最終的なLTVの評価からさかのぼって、コミュニケーションデザインやクリエイティブをチューニングしていくことで、「設計~集客~顧客化~優良化」までの消費者とのコミュニケーションプロセスを、データとして切れ目なくわかるようなシステムを作っていきたい。

 とはいえ、アウトバウンドがなくなり、インバウンドへ完全移行するという話ではなく、もちろんアウトバウンドも有効な手段としてあり続ける。しかし、これからはインバウンドの概念を取り入れて、自社にとって有効なコンテンツを大量かつ高速にインターネット上にあげていくことが、マーケターには求められる。

 「我々のサービスは、システムでできる部分と、いろんなパートナーに協力してもらわないといけない部分がある。クリエイティブコンセプトを考えたり、コミュニケーションデザインをしたりする部分はまさに後者だ。システムで対応できる部分については、Synergy!360とiNSIGHTBOXを使って実現していく。最終的には、今回ご紹介したように、集めたデータから本来やるべき活動へとさかのぼっていくことを、高速に繰り返し行えるような一連のサービスを提供していく予定だ」と田代氏は語り、プレゼンテーションを締めくくった。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

1983年生まれ。成蹊大学経済学部卒業。大学卒業後、大手IT企業にてレンタルサーバーサービスのマーケティングを担当。その後、モバイル系ベンチャーにてマーケティング・プロダクトマネージャーを務める傍ら、ライター業を開始。旅行関連企業のソーシャルメディアマーケターを経て、2011年1月Writing&Marketing Com...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2012/11/07 11:26 https://markezine.jp/article/detail/16646