シナジーマーケティングが消費者行動予測に取り組むわけ
4000件を超えるクラウドサービスの契約実績を誇るシナジーマーケティング社。同社のビジネスは、2005年から多くの企業に愛されてきたコミュニケーション・プラットフォーム「Synergy!」を中心に展開する“クラウドサービス”と、顧客の成果の最大化のために人的サービスを提供する“エージェントサービス”の2本柱で成り立っている。
Synergy!から派生する形で、REVAMP社と共同開発した「curuzo」(FeliCaとPOSを連動させたOtoOサービス)と、「Synergy!LEAD on force.com」(BtoB向けのSalesforceと連動する国内初のマーケティングシステム)の2つのサービスが存在するが、今後の事業展開として田代氏は、「消費者行動予測に力を入れるために、新たに加わったSynergy!360とiNSIGHTBOXに資本を投下していきたい」と述べた。
なぜ、シナジーマーケティングが消費者行動予測に注力するのか。その理由について、田代氏は「我々のお客さまのデータはお客さまの持ち物ではあるが、統計的なデータを共有していくことで、お客さま同士でより成果を上げられるようなシステムへと進化させていきたい」と語り、以下の図をもとに、“今まで”と“これから”を比較しながら、マーケティング手法に起こりつつあるパラダイムシフトについて言及した。
誰に:今までは、性別・年代・住所など属性によるカテゴライズでセグメンテーションしてアプローチしていた。この形も今まで同様に続けながら、今後は定量・定性からのカテゴライズにアプローチする必要がある。この新たな手法では、人や商品にタグを付けていき、その相関関係によってアクションを変えていく。シナジーマーケティングでは、約5年前から慶應義塾大学の井上哲浩教授とともにアルゴリズムを構築し、昨年「iNSIGHTBOX」という形でリリースした。コンバージョンが5~6倍に上がるケースも出てきている。
どのように:これから求められる動的アプローチとは、日々変化するお客さまの今を把握するための取り組みだ。お客さまにスコアを付けて可視化することで、現状そのお客さまがどれだけのポテンシャルを持っているかが瞬時に判別できるようになる。
誰が予測する?:今までは、マーケターが頭をひねってデータを分析しながら予測していたが、これからは極力システムで行えるように、Synergy!360で設計を進めている。最終的には、こういったアクションをするのであれば、この人たちにアプローチしたら、これだけの確率でコンバージョンしますといったところまで、システムが推奨してくれるような形に持っていきたい。
価値:これからマーケターが頭をひねって時間を使うべきところは、プランニングやコンテンツ制作といった、よりクリエイティブな分野である。そのために消費者行動予測でマーケターを支援できるシステムへの第一歩が、Synergy!360とiNSIGHTBOXだ。