ユニバーサルアナリティクスの4つの機能
では、ユニバーサルアナリティクスを実現する4つの最新機能について紹介しましょう。
- Simple Open Measurement Protocol
- User ID Control
- Offline Conversions
- Dimension Import & Joining

Simple Open Measurement Protocol
今回新たに、オープンなGoogle アナリティクス用のプロトコル「Simple Open Measurement Protocol」が発表されました。ユニバーサルアナリティクスを実現するための最も重要な機能です。ga.js だけではなく、このプロトコルを利用してGoogle アナリティクスへデータを送信できるようになります。今後は、このプロトコルを実装することで、あらゆるシステムからGoogle アナリティクスへデータを送信可能になります。
デモでは、社員証をかざす入館などのIDシステムとの連携が紹介されました。社員証のIDカードをシステムにかざすとセキュリティドアが開いたりしますが、同時にSimple Open Measurement Protocolを使って、IDナンバーと一緒に、ドアを開ける、システムにログインする、などのアクションが紐付けられ、Google アナリティクスにデータを送信します。
つまり、ウェブだけではなく、ウェブ以外のシステムでユーザーが起こしたアクションも計測、解析できるようになるのです。まさに、ユニバーサルアナリティクスのための最新機能です。
User ID Control
2つ目は「User ID Control」です。ユーザーIDをGoogle Analyticsデータに紐付けて計測できるという機能で、Simple Open Measurement Protocolにとっても必要な機能です。
今の社会では、多くの方がマルチスクリーン、マルチデバイスを日常において使っています。テレビを見て、タブレットで検索し、PCで購入するなど、さまざまなデバイスをあたりまえのように活用しています。しかも、通勤時間はモバイルでニュースを検索し、会社に到着したらPCで情報収集。休日はテレビを見ながらタブレットで検索や買い物したりといった具合に、マルチデバイスをマルチシーンで活用しているのが現在のウェブをとりまく環境です。
それを象徴するような出来事がサミットの会場で見られました。「今、いくつのモバイルデバイスを使っていますか?」と参加者へ問いかけたところ、「1つ」はほぼ全員が挙手です。続いて、2つ、3つ、4つ。このあたりまでは7割ほどの挙手でした。最後には7つのモバイルデバイスを持つ方もいて、それが最高の所持デバイス数でした。

サミットの参加者はウェブの解析に関わる人たちなので、利用デバイスが多いことは想像できますが、7つのモバイルデバイスを使う人が実際に存在するのが現在のウェブ環境です。このデバイスの急増に応えていくことが今後のウェブの解析には重要であり、それには革命的なテクノロジーが必要というのが、Googleからのマルチデバイスに関するメッセージでした。
そこで2つ目の機能である「User ID Control」です。これによって、ユーザーはログイン状態であれば、デバイスを超えてアクションを計測できるようになります。モバイルでログインし、閲覧したアクションとその後PCでログインしたアクションは同じUser IDで紐付けられます。
セッション、マルチセッションという発想ではなく、それ以上の計測。ユーザーごとのマルチデバイスにおけるアクションを計測するということがマルチデバイス間で実現できる機能です。具体的には、今までのGoogle アナリティクスのデータに追加してIDデータをGoogle アナリティクスで収集します。
この機能の実現により、解析視点は大幅に増えることになります。ウェブサイトへのユーザーの1回目の接触は、ソーシャルメディア×モバイル、2回目の接触は、自然検索×タブレット、3回目の接触は、メルマガ×PCというような、デバイス×トラフィックという軸での解析が必要になります。解析、マーケティングする側としては非常に複雑化するかわりに、解析をうまく活用できれば、ユーザーにとって有用なデータを計測し、快適なウェブになるための改善に今まで以上に活用できます。