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統括編集長インタビュー

シャオミーを創立した“中国のスティーブ・ジョブズ”雷軍(レイ・ジュン)氏も登壇 躍進する中国モバイルインターネット最新動向


中国のスティーブ・ジョブズが明かす小米のビジネスモデル

Q:フォーブス誌から中国のスティーブ・ジョブズと命名されたが、感想は。

 A:光栄なことだと思いますが小米とアップルは違います。会社としても全然違うので、正直違和感もありますね。

Q:エンジェル投資家、起業家、会社経営、今はどの立場を主軸として活動しているのか。

 A:自分としてはどの立場でも同じ意識でやっています。共通して言えることは、どの立場においても有能な人材が揃ってはじめてエキサイティングなできる点だと考えます。

Q :この場には投資家もいるので投資家へのアドバイスがほしい。

 A:当たり前のことですが、投資家として成功を収めるには成功する会社へ投資することです。投資先の見分け方についてのアドバイスを贈るのならば、「投資先の会社が才能ある会社であり、投資すべき人材もいる」と自分自身で確信を持てるかどうかです。

 成功する会社の多くは、往々にして当初のアイデアとは違うアイデアのビジネスで成功を収めています。ヒューレット・パッカードも起業当初はIT企業になろうとしてはいませんでした。このことからも、アイデアは時代に応じて変わるものという点がわかりますし、投資は「人」に投資することが重要と言えるのではないでしょうか。

一問一答形式でキーノートは進行した
一問一答形式で講演は進んだ

Q:なるほど。では、ここから事業について聞きたい。小米のビジネスについて最初はどう考えていた。

 A:よいアイデアだと思っていました。ただ、携帯電話の仕事をしたことはなかったので、どうすれば成功できるのかをまず考えました。そして、自分だけで成功するのは無理だという結論にいたりました。

 結論にいたった後は、自分が満足できる携帯電話を作るにはどのような人材が必要なのかを考えました。モトローラ、マイクロソフトなどで働いていた経歴を持つ人材が、どうすれば自分の会社で働いてくれるのかを考え動いた結果、モトローラ、マイクロソフト、グーグルなどで働いた経歴を持つ人材を迎えることができました。

Q:具体的なビジネスモデルは。

 A:アイフォンへのニーズの高さがわかっていたので、高品質なスマートフォンをアイフォンより安く提供することができれば、ビジネスになると考えていました。また、実店舗を持たず、ネット、具体的には微博をフル活用した販売・プロモーションを行なっています。その結果、販売・マーケティング面においてのコストを下げることができます。その他にも、私たちはネットを介してユーザーから毎日フィードバックを受けているので、そのフィードバックを迅速に製品へ反映させるということも試みています。

小米サイト
小米サイト

Q:数分で数十万台の予約が完売してしまった。

 A:はい、人々の関心が高いのだと思います。数十万台がすぐに予約完売になってしまいます。生産が需要に追いついていない状態ですが、在庫を残さないことにもすごく気を使っています。

Q:中国以外での展開は。

 A:そうですね、小米を設立当時からグローバルでのビジネス展開は頭の中にありました。近いうちに、グローバル展開を視野にいれたなんらかのプロジェクトを実行しようと思っていますが、段階的に展開していきたいと思っています。

Q:モバイルインターネットの今後のトレンドは。

 A:7、8年前にはモバイルインターネットの概念すら存在していなかったと思います。私自身もモバイルインターネットがここまで発達するとは思っていませんでしたが、スマートフォンの急速な普及がすべてを変えつつあると感じます。

 モバイルインターネットはまだ黎明期の段階、まだまだビジネスチャンスがあると思います。またこの急激な変化は、大きなパラダイムシフトを起こしつつあります。これまではメーカー、ソフトウェア企業、インターネット企業と、それぞれの分野でしのぎを削ってきた印象ですが、これからはそれらの区分け自体が無意味になってくると思います。この変化をわかりやすく例えるのなら、戦う競技がマラソンからトライアスロンに変わったと言えるのではないでしょうか。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2013/06/06 08:55 https://markezine.jp/article/detail/16768

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