『ロストサーガ』×ナマケットGames
――ゲームタイトルとニコ動を活用したプロモーションについて教えて下さい。
「『ロストサーガ』という多人数で楽しめるオンライン・アクションゲームで、生主さんがNo.1ゲームプレイヤーの座を賭けて対戦する、『ナマケットGames with ロストサーガ』を2012年7月21日に実施しました。
当初は、キャンペーンの一環としてニコニコポイントをプレゼントしようと思っていたのですが、ご相談したら逆にナマケットのご提案をいただいたんです。私自身、ニコ動ユーザーでもあるのですぐに『おもしろい!』と思いましたし、想定される数字をいただいて『これはイケる!』と確信しました。

『ロストサーガ』は、あちこちの人気タイトルからヒーローがゲスト出演してくれている、なんでもアリのゲームです。生主さんにプレイしていただくことで、このゲームの魅力であるワイワイガヤガヤ感が伝わるのではないかと考えました」
――成果と感想は?
「視聴者数が約246,000、コメント数が約78,000で、想定していた数字の4倍にもなりました。大会の告知をしている段階からもユーザーが増えていたのですが、終わってからも余韻のようにしばらくは続きましたね。

新規ユーザーへの訴求が狙いだったのですが、既存ユーザーへのモチベーションアップにつながったのも非常に魅力的でした。ネットサービスの運営者にとって、休眠ユーザーの復帰は重要なミッションの1つ。それには、『あっちのほうで、何か賑やかなお祭りをやってるみたいだぞ』というのが効果的なのですが、その役割を果たしてくれたと思います」
――今後実施したいという人へのアドバイスをお願いします。
「ニコ動さんはマスメディアなみのリーチを持ってらっしゃいますが、独特の空気があります。そこにマッチングした施策を打てるかどうか。空気感にあったクリエイティブやコピーでないとノイズになってしまう。もちろん、ノイズを狙うというのも1つの手段ですが。
生主さんに登場していただくのであれば、その持ち味を活かすやり方でないと意味がない。広告主側がコントロールした通りに話す、動きまわる、そういうコンテンツには向いていないと思います。
生主さんというのは、我々が訴求したいユーザーさんたちと同じ目線で話してくれる人たちなんです。企業のマーケティングでは気づかない製品の魅力を語ってくれて、それがユーザーに響いている。そういう持ち味を崩したら、効果は出ないと思います」
取材後記
今回お話をうかがった2社のうち、一方はユーザーの動画投稿/ゲーム実況をゲーム機単体で行える機能を実装しているアメリカのゲーム(PS3/Xbox)、一方は多数のゲームキャラがゲスト出演しているオンラインゲームと、日本における「王道」のタイトルではなかったかもしれない。
それでも、そのサービスの熱狂的なファンと、マーケティング担当者がどのようにコミュニケーションしていくべきなのか、ヒントが散りばめられていたのではないだろうか。
コンテンツの権利は当然ながら守られなければならない。しかしながら、それを用いて、誰にとってもポジティブなコミュニケーションが発生するのであれば、時代に合わせた解決策が生み出される必要があるのではないかと感じた。