LINEのメインユーザー層で起きた予想外のソーシャル波及
ロッテはLINEのスタンプショップで、「コアラのマーチ」スタンプを2012年10月30日~11月26日の期間において提供した。ユーザーはスタンプをダウンロード後、180日間利用可能。社内のLINEユーザーの「こんな絵柄が使いやすい」という声を活かして選定した。(現在はスタンプ8種類・1,500万円/16種類・2,000万円)

「もともと、各商品のブランドごとに広告宣伝費の予算があり、今回はコアラのマーチのその予算からLINEへ使った」(村尾氏)
LINEスタンプ施策に取り組んだ当初の目的をたずねたところ、「商品のターゲットは子どもだが、実際にお店でお金を払う約8割はその子たちの親。なので、親子のコミュニケーションツールとしてキャラクターを使ってもらえれば、と思っていた」と村尾氏は語る。
また、そもそもの購入者層のターゲット外ではあるが、LINEのメインユーザーである10~20代の若者が、Twitter等のソーシャルメディアで「コアラのマーチスタンプがかわいい」「コンビニに行ってコアラのマーチ食べたくなった」というコメントが出たり、思いがけないソーシャルでの反響が起きた。
「コアラのマーチ」スタンプで593万人にリーチ
コアラのマーチスタンプの総ダウンロード数は593万。スタンプの利用数は4010万回(2012年12月31日時点)で、ダウンロードしてから180日間は使用できる為、今も順調に利用回数は伸び続けている。
「コアラのマーチは全部で465種類ほど絵柄があるが、実際に日々のコミュニケーションで使ってもらわないと意味がない。なので喜怒哀楽がはっきりしているものや、文字入りでダイレクトに気持ちを表現するものを用意した」と村尾氏は語る。実際によく使われているスタンプとそうでないものは、利用回数に約5倍の差が出ていることもあり、ユーザーが日々のコミュニケーションのなかで使いやすい絵柄を提供することがポイントと言えるだろう。

また、当初の具体的な数値目標についてうかがったところ、「実のところ、なかった」という興味深い言葉が返ってきた。
「というもの、LINEの施策でどのくらいの影響があるものなのか、まったくわからなかった。最終的に593万ダウンロードという数を聞いて、想定していた数値をはるかにしのぐ結果に社内でこの施策に関わった者は驚いた。593万人にリーチできる広告施策は、そうそうない」(村尾氏)