Excel関数では、固有値と固有ベクトルは求められないので……
次のステップは、相関係数行列の固有値と固有ベクトルを求めます。
固有値は、行列が持っている固有の値です。数学的な証明は割愛しますが、今回の目的であった情報をより集約している新しい成分z(主成分)を求めるには、データの分散が最も大きくなるなるところに軸を引きました(だ円に例えると長軸に線を通すイメージです)。この「データの分散が最も大きなところを通る軸を求めること」と、数学的には、「相関係数行列における最大の固有値とそれに対応する固有ベクトルを求めること」同じになります(数学的な証明はここでは割愛します)。固有ベクトルは、散布図を描く際の軸の係数に使います。
固有値と固有ベクトルを直接Excelで求めることはできませんが、以下の2通りで求められます。
- 専門のアドインソフトを用いる
- 反復計算を手動で行う
今回、多変量解析プログラムのアドインツールを差し上げますので、特に固有値と固有ベクトルの意味合いにこだわらない場合、プログラムを使って答えを出してください。
アドインソフト「ビジネス統計」を使って求める方法
固有値と固有ベクトルを求めるアドインプログラム(ビジネス統計プログラム)をこちらからダウンロードしてください。
本ソフトウェアの著作権は作者にあります。データの再配布、改変、および営利目的での使用は禁止いたします。詳細は本記事6ページ目をご覧ください。
アドインソフトの組み込み方法
1.ダウンロード後、解凍し適当な箇所に保存してください。
2.Excelを立ち上げ、ウィンドウ左上部のファイルボタンをクリックし、[オプション]をクリックします。

3.[アドイン]をクリックし、[管理]の[Excelアドイン]を選択し[設定]をクリックします。

4.[有効なアドイン]画面が出てきたら、[参照]をクリックし、保存先の「ビジネス統計.xla」を参照して読み込んでください(有効なアドインの[分析ツール]と[分析ツール-VBA]の2か所にもチェックマークが入っているか確認してください)。



5.アドインソフト「ビジネス統計」をたちあげます。[アドイン]タブの[ビジネス統計]をクリックし、[起動]させます。

6.固有値と固有ベクトルを求めるには、[ビジネス統計]の[数学付録]の[固有値]を使います。ダイアログに従って、[データ行列範囲]に相関係数行列の範囲を指定します。[行と列のラベル]を[共にあり]にチェックを入れ、出力先を指定し[開始]を押します。

出力結果

次ページから、出力結果について詳しく解説します。