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「AdGang」が選んだ今週の一押しキャンペーン

Dove、デザイナーにフォーカスした“リアル・ビューティー”キャンペーン『本当の美しさはレタッチされたものではない!』

 海外の広告・宣伝・プロモーション事例情報を提供している「ブログタイムズBLOG」からの厳選記事を紹介するこの連載。今回は写真の修整が簡単にできてしまうことを逆手にとって作られた広告のお話です。あまりキレイに直しすぎるのも考えものですね。毎週水曜日更新。

キャンペーン概要
  • 時期:2013年
  • 国名:カナダ
  • ブランド:Dove
  • 業種:美容

「美」についての考えに一石を投じるキャンペーン

 すべての女性が自分らしくポジティブに生きることを応援するブランド「Dove」は、数年前から現代人の美に対する認識に警鐘を鳴らす“Real Beauty”キャンペーンを展開しており、「evolution」というバイラル動画が特に有名です。今回このキャンペーンをより進化させた挑戦的な企画「Thought Before Action」をカナダで実施しています。

 今回の第一のターゲットは、「作られた女性の美」に関係の深いアートディレクター、グラフィックデザイナー、フォトレタッチャーたち。

 Doveは、“女性の本当の美しさ”について示唆する写真と機能をPhotoshopのアクションに潜ませ、彼らがよく利用する「Photoshopアクション」の無料ダウンロードサイトにアップしました。ちなみに「アクション」とは、Photoshopに一連の画像加工作業を記憶しておいて、必要なときに再利用できるようにする機能のこと。下の図のように、写真の色味をワンクリックで変えることもできます。

 Doveが公開したPhotoshopアクションのサンプル画像は以下のとおり。パッと見は、女性の肌の色を明るくするアクションのように見えます。

 しかし、アクションをダウンロードしたユーザーが実際に画像をPhotoshopで開くと、アクション欄には「glow」(明るくする)ではなく、「Beautify」(美しくする)の選択肢があります。

 そして、「Beautify」というアクションを実行すると、写真が加工される前の最初の状態に戻ります。女性の腕やウエスト、太ももなどが太くなり、女性の素の姿に戻るのです。

 同時に左上には、「Do not manipulate our perceptions of real beauty.(“本当の美しさ”というものに対する人々の認識を操作しないで)」というメッセージが表示されて、キャンペーンの種明かしになるという仕掛けです。

 体を不自然に痩せさせたり、整形などするのではなく、その人の素のままの健康的な体が“本当の美しさ”ですよとコミュニケートしています。

 グラフィックデザイナー、フォトレタッチャーなどターゲットの人たちに直接メッセージを発信するよりも、Photoshopのアクションに“その意図”を隠してサプライズで訴求することで、腹落ちさせようとする狙い。考え抜かれたクレバーな仕掛けですね。

 そのほかのDoveの“Real Beauty”キャンペーンの施策に関心のある方はこちらの記事もご覧ください。

動画はこちら

参考サイト

先週の紹介キャンペーン

 記事転載元:ブログタイムズBLOG

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この記事の著者

山田 健介(株式会社PR TIMES)(ヤマダケンスケ (PR TIMES))

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2013/03/13 08:00 https://markezine.jp/article/detail/17375

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