ユーザーのワークフローを考慮した統合プラットフォームの実態
統合されたプラットフォームは、デジタルマーケティングに携わる担当者たちに、どのような変革をもたらすのだろうか。製品カテゴリごとに、ストーリー仕立てで行われたデモのうち、2つの製品「Adobe Analytics」「Adobe Target」についてユーザーメリットを解説する。
Adobe Analytics(アクセス解析)
Anomaly Detection(異常値の検知)レポートでアクセス数の急上昇とCVRの低下を発見するデモが行われた。(1)Contribution reportを開くと、この2つの現状に関連したレポートが表示され、特定のキーワードで流入してきたユーザーが離脱していることが判明。(2)Audience ClusteringでこのセグメントグループのAOV(平均購入額)が高く、ランディングページの改善で売上改善が見込めるので、このセグメントのレポートを「カード」にし、コメントをつけて制作チームの「ボード」に共有するというものであった。



このデモのポイントとしては、KPIの異常値を発見した際、次のアクションとして重要なのがデータを深堀してその要因を突き止めることだ。これまでは、深堀りすべきデータの当たりをつけるには、ある程度マーケティングや分析の経験が必要とされた。
それがContribution reportでは、発生している事象の要因に関係性の高いレポートを自動的に絞り込んでくれる。また、セグメント分析はDiscover、オフラインデータならInsightと、分析対象のデータによって異なるツールにログインする必要はなく、一元化されたデータで判断をくだすことができ、分析から改善提案までの時間が大幅に縮小された。
Adobe Target(テスト・ターゲティング)
デモでは、ランディングページ最適化のためにテストが実施された。Adobe Experience Managerからいくつかのページをドラッグ&ドロップでテスト対象として設定できる。ページのトップバナーのクリエイティブを、Adobe Analyticsで共有されたセグメント別に商品と背景の色を出し分けるように設定して、テスト準備は完了する。


ここでは、A/Bテスト成功の要因は小さなテストを継続的に行うことがポイントだ。これまでは、事前に複数の比較対象のクリエイティブを準備するのは、予算や制作部門のリソース確保の面でハードルが高かった。
そこでDAM(デジタル資産管理)の機能が搭載されているCMS(コンテンツマネジメントシステム)とA/Bテストツールが連携することにより、担当者は既存のページや画像を自由に組み合わせて、簡単にテスト対象を設定することが可能となる。
また、Scene7のダイナミックコンテンツ配信の機能も搭載されているので、商品・背景といった最小限のクリエイティブ要素だけで何通りものクリエイティブパターンを自動生成できる。これにより、Adobe AnalyticsまたはAdobe Targetで設定された様々なセグメントグループ毎に、異なるテストクリエイティブを自動的に出し分け、精度の高いテストを容易に実行することが可能となった。