CTRに変わる、ブランド広告における新たな広告効果測定の指標とは?
先日、シンガポールから来日したFacebook社 アジア太平洋地域の測定・インサイトチームを率いるダグ・フレーザー氏に、CTRに変わる新たな広告効果測定の指標についてうかがう機会が設けられた。
「我々としては、ブランド広告、そしてダイレクトレスポンス広告に対するメジャメントの効果は違うと思うが、結果的に同じ目的を持っていると考えている。今日は主にブランド広告の効果測定について話していく」(ダグ・フレーザー氏)
【ブランド広告の目的】
ブランドに対する消費者の見かたを変えていく、その結果として消費者にアクション(購入)してもらう
【ダイレクトレスポンス広告の目的】
消費者がその広告を見たらすぐに買う、すぐに登録する
CTRは万能の指標ではない
「インターネットが普及し始めたのは20年前くらいでしょうか。しかしながら今日において、CTR以外でキャンペーンの効果を測定する業界全体の共通の指標がないという現状だ。だからこそ、よりよい広告効果を測定できる指標を開発していく必要がある」とダグ氏は語る。
ブランド広告のCTRとオフラインの売上の相関関係はない
上記のニールセンの調査結果は、横軸がCTR、縦軸がROI(投資回収率)を示しており、実際のCTRがどれだけオフラインの売上に貢献したのかを比較したものだ。
「これを見ればわかるように、何百ものキャンペーンを分析しているが、CTRとオフラインの売上、双方に相関性がまったくないことは明白だ」(ダグ・フレーザー氏)
CTRとブランドへの態度変容に強い相関関係はない
また上記の図表は、実際に買わなかった消費者は広告を見てそのブランドに対する思いが変わったのかどうか、その相関性を調査したもの。「広告想起差分」「ブランド認知差分」「メッセージ理解差分」「購入検討差分」「ブランド好意差分」の5つの項目とCTRの相関関係を調査している。右端の1.0が相関率が一致しているという意味だ。
「ブランドへの消費者の気持ちがどう変化したのかをみてみると、このグラフからCTRとは相関性がないということが明らかになっている。つまり、その広告をみてブランドに対する意識が変わったのかどうかと、クリックをしたかどうかは、まったく関係がないということだ」(ダグ・フレーザー氏)