検索エンジンの競争でよりターゲティング化が進む
SEM(Search Engine Marketing)は、検索エンジンを活用して自社Webサイトへの訪問者を増やすためのマーケティング手法。SEM総合研究所所長を務める渡辺隆広氏は、日本で最初に検索エンジン最適化(SEO)サービスを始め、日本のSEO対策の第一人者として知られている。日本を代表する検索エンジンのスペシャリストの一人である。なお、SEOとは、Search Engine Optimizationの略で、GoogleやYahooなどの検索エンジンによる検索結果で、自社のWebページを上位に表示させるものだ。
渡辺氏は、「テクノロジー」と「マーケティング」という2つの側面から話を進めた。
まず、テクノロジーについての解説では、検索エンジンはGoogleとYahooの二強となっている一方、新しい検索エンジンも登場していることを指摘。新たな競争が起こる中で、GoogleとYahooの二強も改良を進めていると解説した。その一例として、Yahoo検索のソーシャル・ブックマーク表示や、Google検索へのニュース検索や動画検索の表示、Googleインデックスの高速化などを挙げ、また、ユーザーの検索行動を元にしたターゲティング技術なども示された。
これは検索をセッション単位でとらえ、セッション内の直前の検索クエリを参照して広告の適合性を高めていくものである。まだ、日本へは未導入だが、検索キーワードから閲覧者の居住地や性別、年齢、ライフスタイルなど詳細な情報を得ることで、より戦略的な広告投資が可能になるMSN adCenterも紹介された。
一方、こうした検索手法がより詳細化される一方、マーケティング手法としての効果には懐疑的な部分もあるという。例えば、Yahooブックマークの数が、必ずしもそのサイトの価値とは一致していないことを指摘、スパムにも弱く、マーケティングの判断指標として機能しない点があるとした。ソーシャル検索にも同様のことが言え、コミュニティの質に左右され、参加者が拡大すると一般化してだめになる。むしろ濃いユーザーの集まりで効果的とした。