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統括編集長インタビュー

「本屋の“フラっと体験”をスマホで提供したい」
朝8時のファーストスタンダードへと進化するGunosyの狙い

通勤途中にGunosyをチェックするユーザーが急増 

 ── 福島さんがおっしゃる「フラっと」体験は行動・閲覧データの蓄積から提供できるものなのでしょうか。

 福島:先日行われていた、5人のプロ将棋棋士がコンピュータ将棋ソフトと団体戦で戦う「電王戦」では、機械側が人間に勝ちましたよね(参考記事:電王戦、将棋界を刺激 定跡整備される中、新手次々,朝日新聞デジタル)。機械側が繰り出す「次の一手」は、過去の対戦データをもとに考えられているそうです。一方、人間は過去のデータを持っているだけでなく、今後を予測することもできるのに、勝てませんでした。

 つまり、人間の脳がストックできる情報のキャパシティーには限界があります。一方、機械側がストックできる情報量は、コストとの兼ね合いはあるものの、ある意味無限大です。かつそれを高速に処理できる技術も発達しています。圧倒的なデータ量は人間が予想できない結果を導き出すことができるのです。

 ── 量が質を凌駕する、ということですか。

 福島:電王戦はプロ棋士が1勝3敗1分という結果となりました。第4戦は引き分けでしたが、過去の引き分けパターンが十分に入力されていなかったことが原因だったそうです。ということは、必要なデータを今後もどんどん入力していけば、量が質を担保することにつながることを表しているのではないでしょうか。

 ── なるほど、面白いですね。話を戻しますが今後の展望について教えてください。

 竹谷:まずは、2013年末までに、100万ユーザーを達成することが目標です。100万人の志向を知っていたら、広告による収益モデルも見えてきますから。

 福島:定量的な目標はユーザー数ですが、大切にし続けたい価値観もあります。ひとつは、ユーザーにとって有益な情報を提供するということ。もうひとつは、メディアさんと良好な関係を築き共に成長していきたいという点です。

 Gunosyの存在価値は必要な人に必要なコンテンツを伝えることだと思っておます。つまり優れたコンテンツを生むメディアがないと、その役割を発揮することができません。メディアさん側には、適した読者を増やす「送客」に加え、他にも価値をお返しできたらと思っています。

 編集部:海外へのサービス展開は考えていますか。

 福島:「いずれは」と思っていますが、まずは日本のユーザーと向き合い、リードする立場になりたいと思っています。例えばGunosyへのアクセスのピークは、朝8時です。ユーザーに送られた推奨記事を、通勤途中にご覧になっているのでしょう。でもGunosyが生まれる前、彼らにその習慣はなかったはずです。

 つまり一部のユーザーにとって私たちは、朝8時のファーストスタンダードになれたということです。明確なビジョンを持ち、常に彼らに良いインパクトを提供するポジションになれたらと思います。

アルゴリズムの改良、デザインの改良、ビジネススキーム構築、
やれること、やりたいことは山ほどあると語る二人
アルゴリズムの改良、デザインの改良、ビジネススキーム構築、やれること、やりたいことは山ほどあると語る二人
ベンチャーらしい雑然としたオフィス風景。
バランスボールに正座しつつプログラミングを行うスタイルは、
一部でグノシースタイルと言われている
オフィス風景。バランスボールに正座しつつプログラミングを行うスタイルは、一部でグノシースタイルと言われている

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

齋藤 麻紀子(サイトウ マキコ)

フリーランスライター・エディター

74年生まれ、福岡県出身、早稲田大学第二文学部演劇専修卒業。 コンサルティング会社にて企業再建に従事したのち、独立。ビジネス誌や週刊誌等を通じて、新たなビジネストレンドや働き方を発信すると同時に、企業の情報発信支援等も行う。震災後は東北で起こるイノベーションにも注目、取...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/05/29 08:00 https://markezine.jp/article/detail/17761

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