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テレビCMの投下量と検索数、そして売上げとの相関関係は?オフラインアトリビューションの基本【アトリビューション編:第6回】

回帰分析で相関関係を考えてみよう

 この調査で分析のために使った手法は、回帰分析になります。(回帰分析について詳しく知りたい方は、こちらの連載「Excelビジネス統計~アンケートの設計と分析」が役立つかと思います)簡単にいうと、テレビCMの投下量をX軸にとり、検索数をY軸にとって、下図のような散布図を作ります。その散布図の中に最小二乗法(least squares method)という方法で、統計的に当てはまりのよい直線を引いていきます。直線なので、y = ax+b という1次関数で表現することができるようになります。この式の中で、yを目的変数、あるいは、従属変数と呼び、xを説明変数、あるいは、独立変数と呼びます。

 この直線が右肩上がりであれば正の相関がある右肩下がりであれば負の相関があるといいます。正の相関がある場合は、テレビCMの投下量が増えれば増えるほど、検索数が増えることになります。負の相関がある場合は、テレビCMの投下量が増えれば増えるほど、検索数が減ることになります。

テレビCM投下で増加した検索数は、どの程度売上に貢献するのか?

 このような相関分析の結果を広告主に報告すると、その反応は非常に好意的なものでした。その後、「テレビCMを打つとそれに関連するキーワードの検索数が増えて、結果的に、広告主のウェブサイトへのアクセス数が増える」ということが業界的にも理解されるようになりました。そして、検索ボックスをテレビCMに付与する手法が一気に普及していきました。

 ただ、しばらくすると、テレビCM投下量と検索数が相関するのはよいのだが、その結果として、コンバージョン数はどのくらい増加するのか、あるいは、売上はどのくらい増加するのか、という質問を広告主から受けるようになってきました。

 このような課題に応えるため、広告主や広告代理店の協力を得て、コンバージョン数や売上のデータ、ウェブサイトのアクセス状況のデータ、および、広告出稿量のデータなどを提供してもらって調査し、広告出稿がコンバージョンや売上に与える貢献度を調査するようになってきたのです。

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モデリングにより、未来の売上を予測する

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この記事の著者

有園 雄一(アリゾノ ユウイチ)

Regional Vice President, Microsoft Advertising Japan

早稲田大学政治経済学部卒。1995年、学部生時代に執筆した「貨幣の複数性」(卒業論文)が「現代思想」(青土社 1995年9月 貨幣とナショナリズム<特集>)で出版される。2004年、日本初のマス連動施策を考案。オーバーチュア株式会...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2013/07/02 08:00 https://markezine.jp/article/detail/17867

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