組織の壁が、データの壁を増幅する
組織もシステムです。データの壁は、組織の壁によって増幅されていきます。営業、IT、企画、生産など、異なる部門では情報共有が難しく、事業部門ごとにITのインフラが異なる場合にはなおさらです。
ビッグデータの活用で、とくに重要になるのは業務部門とIT部門ですが、文化が異なり、同じ会社内部の組織であっても両部門のコミュニケーションは十分なされているとはいえません。
そもそも、両部門は利害が対立しやすく、新しいITサービス実現を構想しようにも、いわゆる囚人のジレンマに陥ってしまう状況が散見されます。 その上、ビッグデータの活用では、業務、ITに加え、データ分析に関する知見が必要になります。すると3者間で次のような堂々巡りになって、うまく話が先に進んでいきません。
業務プロフェッショナル
業務内容はよく知っているが、データを使って仮説・検証を行うにも、どこからどのようなデータを抽出できるのかわからない。
IT技術者
必要なデータがどこに存在するのかはよく知っているが、どのような分析手法を用いればいいかわからない。
データ・アナリスト
統計などのデータ処理についてはよく知っているが、業務についてはあまりよくわからない。
データと組織の壁を打破する、ワイガヤ・ビッグデータというコンセプト
リクルートテクノロジーズの西郷彰氏(「大量データ経営に生かす」,日本経済新聞2103年3月26日)が指摘するように、ビッグデータの分析にはビジネススキル、分析スキル、ITスキルの3つのバランスが必要だ、というのは間違いありません。
チームの力によって、データと組織の壁を打破しようと考え出されたのが、ワイガヤ・ビッグデータというコンセプトです。業務、分析、ITの基本3要素のインタラクションをYの形で表現し、「Yガヤ・ビッグデータ」と名付けています(図1)。
業務プロフェッショナル、データ・アナリスト、IT技術者が出会う場を設け、ビッグデータ活用の方向性をディスカションし、上記の堂々巡りをブレークスルーしようというものです。

3種類(業務、分析、IT)のプロフェショナルな知識、経験、能力に日本の高いチームワーク力を掛け合わせ、
ツールを駆使して新しいビッグデータ活用の方策を創発する
Web上でディスカションを展開させて知識を集積し、解決策を見出そうというクラウドソーシングという方法があります。これは、場所と時間の制約を逃れる効率的な方法です。しかし、現場の担当者はいつも机で議論に参加できるわけではありませんし、Web上のディスカションでは臨場感に乏しく、ライブのような盛り上がりが期待できません。
Yガヤはそれと対極にあるもので、皆が集まってワイワイガヤガヤとディスカションを重ねることで、日本人の強みともいえるチーム力が発揮できると考えます。
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