SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

「デザイン思考」がビジネスを革新する!

話題の「デザイン思考」って何だろう?イノベーションを生み出すデザイン思考の5つのステップをおさえよう


「デザイン思考」の5つのステップ

 それでは、d.schoolのやり方に従って、「デザイン思考」の5つのステップを見ていきましょう。これはビジネスに、ロジカル思考以外の考え方を持ち込む試みでもあります。

※クリックすると拡大図が表示されます
デザイン思考の5つのステップ

ステップ1:Empathize

 ステップ1はEmpathizeで、共感する、理解する、感情移入するなどの訳語が充てられます。課題の文脈に沿う形で、人々が、何故どのように行動するかを、観察し関わり見て聞くことで、インサイト(時に本人も気づいてないような考え方や価値観)を見つけて行きます。

ステップ2:Define

 ステップ2はDefineで、定義する、意味を明確にする、などの意味合いです。取り組んでいる課題の焦点を絞り込み、着眼点を明確にします。

ステップ3:Ideate

 ステップ3はIdeateで、アイディア開発、創造などの意味だと考えられます。革新的な解決策を探し、予想外の領域を探求します。

ステップ4:Prototype

 ステップ4はPrototype、プロトタイプです。前のステップで探り出した可能性を、実際に試しながら熟考して行きます。ここで言うプロトタイプは、壁に貼ったポストイットや自分で組み立てた装置、ロールプレイング、ストーリーボードなどを指します。

ステップ5:Test

 ステップ5はTest、テストです。ユーザーにプロトタイプに触れてもらうことで、フィードバックを得るようにします。ここでは、それまでトライして来たEmpathizeを再び行い、着眼点を見直し、プロトタイプを再度構築することにつながります。このような5つのステップを繰り返し行い、解決策の精度を上げて行くのです。

「デザイン思考」をビジネスの解決策開発へ活用する

 筆者は長い間広告代理店で、テレビCMや駅貼りポスター等の表現アイディア開発(文字通りのデザインも含む)に関わって来ましたが、ここに述べられている5つのステップは、広告代理店で行われている表現アイディア開発のプロセスに、きわめて近いものだと感じました。ただし、広告代理店における表現アイディア開発のプロセスは、一般的にかなり属人的で、5つのステップといったものにはまとめられていません。

 そして“表現アイディア開発”という特殊な分野だけではなく、ビジネスの解決策開発一般に使えるように考えられているところが、「デザイン思考」の特徴でしょう。我々の住む成熟社会において、従来とは異なる“イノベーティブ”な発想や解決策は、ロジカル思考中心の議論からは出て来づらいのが現状です。そこで期待され注目が集まっているのが、「デザイン思考」というわけでしょう。

次のページ
東大、京大、慶応なども、ぞくぞく「デザイン思考」的なプログラムを開始

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
「デザイン思考」がビジネスを革新する!連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

佐藤 達郎(サトウ タツロウ)

多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論/メディア論)。2004年カンヌ国際広告祭フィルム部門日本代表審査員。浦和高校→一橋大学→ADK→(青学MBA)→博報堂DYMP→2011年4月 より現職。
受賞歴は、カンヌ国際広告祭、アドフェスト、東京インタラクティブアドアワード、ACC賞など。審査員としても、多数参加。個人事務所コミュニケーション・ラボにて、執筆・講演・研修・企画・コンサルなども。また、小田急エージェンシーの外部アドバイザー、古河電池の社外取...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2014/08/25 09:39 https://markezine.jp/article/detail/18105

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング