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「デザイン思考」がビジネスを革新する!

混沌とした世界を切り開く!チェンジメーカーを育てるデンマークの“カオスパイロット”訪問記


Learning by Doing(実行することで学ぶ)

 カオスパイロットでは、グループワークで行うワークショップ型の授業が大半を占めています。筆者は幸運にも、そのひとつにオブザーバーとして参加することができました。

入口にある学生たちの写真

 そのワークショップ型の授業は、自分自身の強み・弱みを把握し何を目指して行きたいのかを、同級生と語り合うことで発見して行くというもの。与えられたシートを埋めて行く形で、チームのメンバーとお互いに助け助けられながら、進めて行きます。教師(レクチャラー)は、本業はコンサルタントだという女性。授業前半の講義のあと、チームごとにディスカッションの様子を見てまわり、必要に応じてサジェスチョンをするというスタイルです。

 筆者が近くでオブザーブしていたチームの、デンマーク人の若い女性は、真剣な表情で「自分が何がしたいのか、まだよく分からない」と語り、オブザーバーである筆者に対してまで、「どう思うか?あなたはどうか?私に何かサジェスチョンはないか?」とフランクに積極的に話しかけて来ていました。

学生同士の対話にサジェスチョンする教師

 カオスパイロットの15人ほどの教師陣は、実務家が担当。会社員だったり自営のコンサルタントだったりします。その教師を選び依頼しカリキュラムを作り上げているのは、チームリーダーと呼ばれる学校のスタッフ。このチームリーダーも授業中ずっと同席し、いわばプロデューサー的な役割を担っているようです。

 さらに、カオスパイロットが最も重視していることが、Learning by Doing(実行することで学ぶ)。単なる座学ではなく、実際の企業やNPOなどのプロジェクトに参加し提案し実行して行きます。それを学校側は様々な側面でサポートし、また最終的な評価(成績)も、このプロジェクトの企画・実施をレビューする形で行われます。

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カルチャーこそがクリエイティビティ発揮のカギ

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この記事の著者

佐藤 達郎(サトウ タツロウ)

多摩美術大学教授(広告論/マーケティング論/メディア論)。2004年カンヌ国際広告祭フィルム部門日本代表審査員。浦和高校→一橋大学→ADK→(青学MBA)→博報堂DYMP→2011年4月 より現職。
受賞歴は、カンヌ国際広告祭、アドフェスト、東京インタラクティブアドアワード、ACC賞など。審査員としても、多数参加。個人事務所コミュニケーション・ラボにて、執筆・講演・研修・企画・コンサルなども。また、小田急エージェンシーの外部アドバイザー、古河電池の社外取...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2014/08/25 09:40 https://markezine.jp/article/detail/18142

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