グーグルは、本日7月30日、「ネット選挙動向調査」に関する記者会見を行った。同調査は慶應義塾大学の曽根泰教教授をプロジェクト実行委員長・監修とし、グーグル、インテージ、ブレインパッドが共同で行っている。
1、9割超の人がテレビ番組で政治情報に触れる一方で、ウェブサイトは4割程度にとどまった。また若年層におけるウェブ活用も低かった
2、ほとんどの政党の公式サイト(候補者含む)の訪問率は1%未満で、そもそも情報収集手段として活用されていなかった
3、自民党・共産党の投票者はウェブでの情報接触が多く、民主党・みんなの党の投票者はテレビが多かった。維新の会はどちらも高かった。各政党の投票者によって、メディア接触のパターンが異なった
4、政党のウェブ検索と実際に投票する政党の間に関連性がなく、検索したからといってその政党に投票しているわけではなかった
9割超の人がテレビで政治情報に接触。ウェブサイトは約4割ほど
テレビとウェブで、どのくらいの人たちが政治に関連する情報に接触していたかを調べたところ、9割以上の人がテレビで政治関連の情報に触れていた。全体で95%(ニュース番組93%、その他番組84%)となり、日本人のほとんどは、テレビを経由して、何かしらのかたちで政治に関連する情報を得ていることがわかった。一方でウェブサイトの方は、全体で41%(ニュースサイト31%、その他サイト23%)という結果に。
政党の公式サイトは情報収集手段としてほとんど活用されず
各政党の公式サイト(候補者の公式サイトも含む。ただし、FacebookやTwitterなどは含まず)の訪問率を調べたところ、自民党以外は1%未満であった(n=2041)。ほとんどの人が、政党の公式サイトを訪れていないことが明らかに。情報収集手段として、政党のウェブサイトを利用している人はほとんどいない実態が浮かび上がった。
テレビ番組経由での政治情報の接触回数、年齢層が上がるほど増加傾向に
性・年代別にテレビ番組経由での政治情報への接触回数を調べたところ、男女ともに年齢が上がるにつれて、接触回数が増える傾向が見られた。60代の女性だけ下がるが、その他は男女ともに増加傾向は変わらないと言える。
「この結果についてかは、特に驚きはない」とグーグル マーケットインサイト リサーチマネジャー 巳野聡央氏は語る。
「我々がこれまで行ってきたテレビCMがどのような人たちにリーチするのかといった調査においても、同じような傾向が見られた。年齢層が上がるにつれて、接触回数がより増える傾向がある。そもそもテレビをたくさん観る世代というのもあるだろう。ただ、今回の調査結果では、20代男性が28に対して、60代の男性は128。あがり方が非常に大きいとは思う」(巳野氏)
ウェブ経由の情報接触、女性および若者層におけるウェブの活用は限定的
ウェブ経由での政治情報への接触回数を調べたところ、男性についてはテレビと同じように年齢とともに増加する傾向が見られた。一方で女性については、どの年代もほぼフラットに低かった。
「これまでの一般的なウェブメディア調査においては、若年層男性がアクティブで、年齢が上がるにつれて下がっていく傾向が出てきやすい。だが、今回のように政治というコンテンツに限って言えば、テレビとほぼ同じように、若年層は低く、年齢層が上がるほど高い傾向があった。女性及び若年層におけるウェブの活用は限定的だったことは、今回分析して出てきた驚きの結果だった」と巳野氏は指摘する。
検索と投票の相関関係は?
各政党を検索した人がどの政党に投票したかを調べたところ、各政党のワードを検索した人がその政党に投票しているわけではないことが明らかになった。
「思ったほど相関がないということが我々の結論だ。検索している人と、投票の行動が、比較的近いのは自民党と公明党だが、全体としてみるとそれぞれの党を検索しているからといって、投票するとは限らないと言えるだろう」(巳野氏)
【調査概要】
調査対象者:20~69歳の男女、PCインターネット利用者及びテレビ視聴者
対象エリア:関東1都6県(東京・神奈川・千葉・埼玉・群馬・栃木・茨城)
分析対象者数:約2,400人
調査対象期間:2013年5月1日~7月までの3か月間
分析データ:
・選挙に関するアンケート(5・6・7月選挙前、選挙後の計4回を予定)
・テレビ番組視聴ログ(政治関連番組の視聴、番組内容など)
・インターネット閲覧ログ(政党ホームページや政治記事の閲覧など)
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