ネイティブ広告がフェイスブックモバイル広告収入拡大をけん引
フェイスブックはモバイルのネイティブ広告に注力していたが、第2四半期の決算報告で市場予測を上回る好業績を示し、ソーシャルメディアでのモバイル広告関係者を勇気づけた。同社の売上高の大半を占める広告収入のうち、モバイル広告の割合が第1四半期の30%から41%へと急増し、さらに近く50%を超えるという。モバイル広告を初めてリリースをしたのは2012年であるから、瞬く間にモバイル広告が同社のけん引役に躍り出たことになる。
そのモバイル広告を支えているのがネイティブ広告である。フェイスブックは以前から、画面の右サイドバーに広告枠を配していたが、その後Sponsored Storiesと称する広告メニューを用意し、ニュースフィード内にスポンサーコンテンツ(広告)を流すようになっている。先ほど筆者のフェイスブックのニュースフィード・ページを覗いてみると、次のレストラン広告が流れていた。
フェイスブックのニュースフィード広告。この例では、知り合いが広告商品をお気に入りであることを伝えている。アイフォン画面より。
広告の中で、そのレストランが馴染みの六本木オフィス近くに位置し、知り合いの食通のフェイスブック友人もお気に入りと伝えている。このような広告なら邪魔にならないし、実際に2人の友人もすすめているので行ってみたくもなる。もともとニュースフィードでは、友人たちの交流メッセージが次々と流れており、その中で友人が薦める商品やサービスの話も頻繁に現れている。それだけに、上の例のような広告であれば、フェイスブックのメディア体験としてもさほど違和感がない。まさにネイティブ広告である。
ニュースフィード広告がサイドバー広告に比べ広告効果が高いことは、Nanigansが実施したフェイスブック広告を対象にした調査でも明らかになっている。フェースブックのユーザーは通常、ニュースフィードを流し読みしており、サイドバーに目をやることはあまりないのであろう。
デスクトップ(パソコン)の場合、サイドバー広告のクリック率(CTR)が0.04%しかないのに、ニュースフィード広告では1.87%と46倍に跳ね上がっていた。また、デスクトップとモバイルのそれぞれのニュースフィード広告を比べると、モバイルのほうが2倍近くクリック率が高かった。モバイルデバイスでの利用では、さらにニュースフィードを追うことに集中しているのだろう。
フェイスブックの好業績を裏付ける調査結果である。だが、課題も見える。ストリームの中に流す広告が多すぎたり、そのコンテンツも押しつけがましい宣伝一辺倒が増えていくと、掲載メディア(フェイスブックのニュースフィードなど)そのものから消費者が離れ去ってしまいかねない。

