東京本社で新設されたデジタルマーケティング室の5つの役割とは
── 続いて2013年2月の組織変更で東京本社に新設されました「デジタルマーケティング室」に関して教えて下さい。どのような役割になっているのでしょうか。
私が東京本社の宣伝室長だった2007年に、インターネット推進室というデジタル専門の部署がマーケティング部門に移行してきた頃から進化してきています。
今回、新設されたデジタルマーケティング室は、デジタルのコミュニケーション範囲が広がる中で、新たなデジタルチャネル(次世代コミュニケーション)の構築にむけ、新しいマーケイング実践による売上向上への寄与と、革新的なビジネスモデルの開発を役割としています。
すなわち、自社Webサイト全般(コーポレートサイトとブランドサイト)の運営・管理と会員組織や自社ソーシャルアカウントの運営により、消費者接点を拡大し、企業ブランド・商品ブランドの向上といった従来のWEB戦略の強化に加え、オーダーメイドビールを自社ECのキーに据え、新規ECの構築や消費者コミュニティと連携したビジネス展開を考えております。
具体的には、次の5つの領域の展開を考えております。
- ブランドプロモーション効率化のための自社サイト・ソーシャルメディア活用
- 家庭用/業務用市場への販促支援
- オーダーメイドビールの企画・運営による需要創出と売上拡大
- 自社EC
- CC(消費者コミュニケーション)サイト×ECサイトでの展開
ブランドプロモーションの効率化のための自社サイト・ソーシャルメディア活用では、ポイントプログラム:スターポイントによるマイページへの自主的なアクセス促進、自社サイトとソーシャルメディア連携によるアンバサダーの発見と育成、本当に弊社商品への関心が高いお客様とのエンゲージメントを生むためのソーシャルメディア運用、ソーシャル分析を中心としたマーケティングデータ分析による、インサイトの発見、課題の見える化などの実行を考えております。
次に挙げた家庭用/業務用市場への販促支援は、どちらもO2O施策の実施を考えております。業務用市場においては飲食店への集客力向上を、家庭用市場においてはチェーンごとの売上向上、カバー率向上といった販促支援を想定しております。
オーダーメイドビールの企画・運営では、新たな需要創出と売上拡大を狙います。オーダーメイドビール認知度向上のための施策(SEO対策)、魅力ある製品の開発提供(銀座ブラウン等セレクション製品の継続販売策検討実施)が具体的な施策です。また、オーダーメイドビール販売の経験から自社ECの実施も検討しております。
最後のCC(消費者コミュニケーション)サイト×ECサイトでの展開では、CCサイトとECサイトをクロスさせたビジネスモデルの構築を考えております。具体的には北海道LIKEERSのCSV(クリエイティング・シェアド・バリュー)モデルの実現、百人ビール・ラボのような参加型商品開発方法の検討を推進しております。
── 御社の場合、自社Webサイトの他に店頭や御社が運営されている施設もオウンドメディアに含まれると思います。展開されている施策などがございましたら教えてください。
工場や博物館といった施設との連携は検討中です。ブロガーイベントやSNSのオフ会を実施する際に、関連施設を利用し、サッポロビールを体験していただく機会を創出しております。自社Webサイトでは、これらのイベントの詳細告知と、マイページで会員の居住エリアに合わせた情報を提供するようにしています。エリアごとのメールマガジンも配信しています。

