Excelの使い方、こういうところが気になります
— Excelに向かう時間は、1日にどれくらいですか?
武内 かなり長時間です。午前中は数字の確認や分析のためにExcelを見ていて、エンジニアと共有する画面の仕様書も全部Excel。社長に進捗を共有するときもExcelなので、ほぼずっと使っています。
— プロデューサーとしていろんな人からファイルを受け取ることがあると思うのですが、こういうふうにしてくれたらいいのにと思うことはありますか?
武内 細かいのですが、小数点をそろえてないとか(笑)。なんでこの色使ったの? なんで紫? などと思うことはありますね。
谷井 わかる! 赤、オレンジ、黄色とか、全部明るい色ばっかりで色分けしても逆に見にくい。青とか使って!って感じで。
武内 あとシートをいくつも分けて使っているとか。
— Excelの使い方に自分なりのルールがあるのですね?
武内 はい、あります! Excelのシートは基本的に1枚しか使わないときは、人に共有するとき、2枚目、3枚目は絶対消します。2枚目、3枚目があると、相手が気になって見る可能性があるので。
田宮 絶対消しますね。
谷井 必須ですね(笑)。
武内 ファイル名の付け方も何書いてるのかわからないとか。チーム内はプロデューサーがルールをつくっているんですが、違う部署の人とやりとりすると「なんでファイル名にこれを付けるの?」と気になる。「最新」「重要」とか。それは全部重要でしょ、と突っ込みを入れたくなります(笑)。
— 田宮さんも、何か資料をお持ちですね。
田宮 結構手書きって重要だなと思っていて(資料を広げる)。データを出してもここから何を読み解くかは人それぞれですし、どこを見たらよいか明確にするためにも、一度印刷してから番号を振ったり、「ここ!」と書き込むなどして、伝えたいことをコンパクトにまとめてます。
— Excel上でもコメント入れられると思うのですが、手書きのほうがいいんでしょうか?
武内 早いし、伝わりやすいですよね。
田宮 Amebaでは昨年末とゴールデンウィークの2回、CMを含む大規模なプロモーションを行いました。なぜ僕が中長期の推移をまとめたグラフを紙で出しているかというと、1回目のプロモーションの終わりと2回目のプロモーションの開始を合わせると(グラフを折り曲げる)、プロモーションをやっていなかった時期が隠れて、その間にどこが伸びたか、伸びていないか、横ばいかが一目で比較ができるんです。Excelだとそれをキャプチャしてくっつけて……。だから、紙って便利なんですよ(笑)。
武内 私も画面上で細かい分析はせずに、データを出したら印刷して紙で分析します。今どこを見てるんだっけというふうになるんですよね、大量のデータを見ていると。
田宮 フロアにはホワイトボードがあるので、磁石で資料をパンパン貼って、「ココとココとココ!」みたいな話し方ができる。意外とアナログです(笑)。
IT企業とは思えない(?)失敗談
— Excelで何か失敗談はありますか?
田宮 そうですね、Excelのファイルを複数人で触ると、読み取り専用ロックが発生する。そこで待てばいいのに、入力できないから誰かがコピーを作りだして、どんどんファイルが増えていくんです。共有にしてもいろいろ問題が出ることが……。
武内 わかります(笑)!
田宮 それで関係者が集まって、派生したファイルをまとめて1個のオリジナルを作ったりとか、アホなことをやることもあります。
武内 社内ではMacの人とWindowsの人が半々くらいなんですけど、Macの人がファイルを触ると壊れちゃう。私もMacだったんですけど、Excelの共有が使いづらくてWindowsに戻しました。
谷井 Macでは「ファイルを読み取る」しかしてないですね。Macで開いてマクロが壊れたと怒られることがたびたびあったので(笑)。
田宮 マクロの動き違いますよね。あと、Macから送られてきたファイル名に……。
武内 絶対ドル($)が付いてる(笑)!私が営業だったとき、Excelのバージョンがお客様によってそれぞれ違うという問題があったんです。たとえば、保存するときのバージョンを一番古くしないと見れませんと言われたり、印刷範囲を設定しても先方の環境や状況がわからないので、送るときにすごく不安でした。
— 相手に伝えたいことをしっかり伝えるのは、テクノロジーが進化した今でも、意外と難しいことなんですね。