ケース2:トップページから検索結果一覧画面までの最適化
次に、検索結果一覧画面により多くの適切な情報を表示し、「訪問あたりの詳細画面への遷移率」「訪問あたりの詳細画面の表示回数」を上げていくことに着目します。ここでは、求人サイトを例に、検索結果一覧画面の最適化について考えます。

ポイント1:検索結果一覧画面の「0件」表示の撲滅
せっかく検索したのに、表示された検索結果が「0件」では離脱が高まってしまいます。ここで必要なのは、検索結果に何件表示したかのログを出力することです。そして、そのログの総件数から「0件」表示となったログの割合を出します。この割合を下げることで、より多く情報を表示し、より多く詳細画面に遷移させ、コンバージョンへ結びつける算段です。
このとき入力された検索条件もログに出力しておいた方がよいでしょう。以下は求人サイトをイメージしたログですが、このようなログがあると以降の分析がしやすくなります。
画面ID | 表示件数 | エリア検索 | 全文検索 | 職種 |
---|---|---|---|---|
SEARCH | 1 | 13 | Webアナリスト | - |
このログをもとに以下のようなレポートを作成します。0件となる割合の高い検索種別が明確に存在するようであれば、その検索種別を設定するメニューの表示位置を下げてみることを検討します。また、その検索種別において、どの検索条件が0件となる割合が高いか調べ、検索条件の統廃合を進めます。
この例の場合、「時給」と「全文検索」が0件となる割合が高いです。全文検索に関しては、表示位置を下げて、あまり使われないような位置に移動することで、0件率を下げることができます。入力ボックスに「placeholder」を設置して、検索してもらいたい語句の例を表示することでよりヒットさせるよう配慮します。

「時給」に関しては、1000円を超えると、0件となる割合が高くなります。

1000円を超える求人がさほど多くないようであれば、初めから選択肢として提供せず、1000円以上、1200円以上、1500円以上は1000円以上で一括りにするというように、検索条件の統廃合を進めます。
ポイント2:「0件」となる検索結果は事前にケアする
検索結果一覧画面に行く前段階の、検索条件指定画面において、下記のようなケアをするだけで、0件の率は格段に下がります。

事前にヒットする件数を表示し、0件のところはグレーアウトするなどして、はじめから選択しても意味がないことを伝えておけば、検索結果一覧画面へ遷移し、0件となるケースも減るでしょう。
ポイント3:全文検索からサイトのカテゴリの精査を進める
全文検索で検索されているキーワードがわかれば、サイトに何を求めて来ているのかがわかります。そのキーワードから既存の職種リストの名称を修正し、また全文検索で引っかかるように工夫します。
求人サイトにおいて、IT業界の職種カテゴリとして「プランナー」とあるけれど、全文検索では「プロデューサー」や「ディレクター」が多い場合、プランナーではなく、「プロデューサー/ディレクター」のカテゴリを新設し、そこに混ぜることで、ユーザーの求めているものと合致したカテゴリができあががり、遷移率も向上するでしょう。
ポイント4:検索結果一覧画面の表示件数の調整
過去の連載において、検索結果を何件表示させるべきかを考える記事を書きました。検索結果ページに5件表示するより、10件表示して次のページへ遷移させるほうが、より多く情報をユーザーが目にすることは明らかです。検索結果を細分化し過ぎると、このように表示件数が少なくなってしまいます。検索結果一覧画面に表示するものがないような場合は、思い切って検索条件をまとめてしまった方がよいでしょう。
情報量が多いサイトの場合はさほど問題にはなりませんが、まだリリースして間もないサイトの場合、検索条件が多いと、見てはみたものの情報が少ない、スカスカな感じになる場合があります。先ほどのログを活かして、検索結果表示件数を日々観察し、この数字を適切に伸ばすことがコンバージョンの増加につながります。

上の表を見てください。9月5日に1ページあたりに表示する件数を増やした施策を打ったとします。PVだけ追っていると、9月5日の検索結果一覧画面PVが減少しているので、慌ててしまうかもしれません。しかし、適切にログを出力して表示件数まで追う環境が整っていれば、しっかり検索結果 表示件数が増えているので、この施策は成功であることがわかります。
検索結果一覧画面の評価ポイント
前提として、「評価可能なログをしっかり取得すること」が大切になります。
- 0件率の低減
- 検索結果画面における総表示件数の増加
これらの指標を追いかけて、以下の指標を向上させましょう。
- 訪問あたりの詳細画面への遷移率の向上
- 訪問あたりの詳細画面の表示回数の向上
- サイト全体のコンバージョン数の上昇