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検索連動型広告はこれからどこへ向かうのか

失敗しない「統合管理ツール」の選び方
ツールに使われるのではなく、使いこなすための処方箋


(3)自社のマーケティング戦略を実現するために
適材適所に個別のプロダクトを導入し、それらを統合する

 これは日本ではレアですが、海外の特に大規模な広告主に比較的多いケースです。検索連動型広告、第三者配信サーバのデータをCookie単位で同期し、異なる複数のプラットフォームの間で数値、データ、分析の単位系を統一したうえで、統合管理を実現するパターンとなります。

 当然費用もかかりますし、統合するうえで異なるプラットフォームの仕様、挙動を理解しておかねばならないという運用の現場を理解したうえでの技術的判断というハードルも存在しますが、それゆえに実現するとディスプレイ広告から検索連動型広告までをトータルで管理でき、最終的にはCRMやDMPと連携することでCustomer Journeyをより正確に捕捉し、LTVの向上につなげる、といったマーケティング施策が実施可能になります。

 この手法の場合に問題になるのが、媒体ごとに管理している代理店や部署を分けているケースです。この形で統合管理を行う以上、ディスプレイ広告や検索連動型広告という広告種別でメディアプランニングを切り分けることにはデメリットこそあれ何のメリットもありません。プロダクトが先行してしまい、部署や管理体制のスキーム構築が後手になってしまうと、やはり失敗してしまうことも多くあるパターンであるといえるでしょう。

自社のマーケティングプランと現状の効果を見つめ直そう

 今まで書いてきたように、統合管理ツールを導入する際には、最初に自社のネット広告の現状把握がきちんとできていないと、選択するべきオプションすらわからなくなるというリスクがあります。さらにディスプレイ広告やソーシャルなどが別部門、別の代理店による管理による縦割りになっており、現状の把握すら困難なケースも多く見受けられます。

 ただし、検索連動型広告が今後も運用型広告の中で最重要であることは当面変わらないことを踏まえると、まずは自社の検索連動型広告の範囲だけでも、運用実績、パフォーマンス、運用の課題などをしっかりとアセスメントをすることで、どのような統合管理を志向するべきか、という方向性がわかってきます。言い方を変えると現状の自社の検索連動型広告をどう運用していきたいか、という方向性に準じてほかの運用型広告のプランをすり合わせる、という方法論です。

 たとえば自社が現状で効果測定ツールの導入をしておらず、媒体側のタグだけで管理しているという現状があったとしたら、まずは一元でコンバージョン測定を実施する環境が必要であることは間違いありません。自社の商品の購買サイクル(購入検討機関)が長い不動産や旅行業界であれば、検索連動型広告におけるアトリビューション分析ができるプロダクトと体制を検討するのもよいでしょう。

 いずれにせよ、プロダクトが進化を遂げていることは事実ですが、マーケターの知見が必要なくなったというわけではありません。新しいテクノロジーを導入する上で、導入後に改善するか否かは導入前の自社の現状把握にかかっているという現状はご理解いただけたのではないかと思います。

 次回は、統合管理ツールを導入の際に必要な最低限の評価ポイントを説明します。

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この記事の著者

治田 耕太郎(ハルタ コウタロウ)

ライコスジャパン、アイレップ、オーバーチュア、クロスリスティングに勤務の後、KenshooのAPAC担当バイス・プレジデントに着任。2013年8月に退任し、現在は自身の通称でもあるsembearとして豊富な経験と人脈を生かし、AdTech企業の支援・コンサルティングを中心とした活動を行う傍ら、高度なテクノロジーと人の知見を融合させたデジタルマーケティングの重要性を説く。

鋭い洞察力から語られるBlog「検索エンジンマーケティング考」はSEMのみならず、日本のインターネット広告業に携わる人々から広く支持されている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/11/05 12:28 https://markezine.jp/article/detail/18735

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