行動データからの気付きがマーケティングを変える
横山:意識と行動という観点から話をすると、意識調査からは導き出せない事実を、行動データから読み取ることができます。そこから新しいマーケティングができるのではないかと私はとても期待しています。
今や、データに基づいて仮説を検証し、パフォーマンスや反応を見つつPDCAを回しながらコミュニケーション開発を行っていく時代になっています。そのスキルを身につけているのは、ネット広告代理店の人たちでしょう。一方で、これまで、コミュニケーション開発の知見を蓄え、本当のクリエイティブを作ってきたのは総合広告代理店です。
ネット広告を専門としてきた広告人は、行動データだけを見ています。生活者にどのような意識変容があってそのような行動に至ったのか、彼らはあまりわかっていないでしょう。一方でマスマーケティングに携わってきた人たちは、意識ベースで考える習慣があり、生活者の態度変容についての知見はあるものの、行動データを読み取ることには慣れていません。そこで両者が上手にそれぞれの知見をマージできれば、新しいデジタルマーケティングの領域に行くことができるはずです。
※本記事は書籍『ザ・アドテクノロジー』の特別取材記事のカットアップ版です。本書では、これまで消費者と企業のコミュニケーションの担い手として重要な役割を果たしてきた広告人が、デジタル時代に生き残っていくためにはどうすべきなのか、その道筋を横山氏に伺っています。本書では18ページにわたる長編を掲載していますので、ぜひお手にとっていただければと思います。
『ザ・アドテクノロジー~データマーケティングの基礎からアトリビューションの概念まで』

[目次]
1. 広告革命
2. ネット広告概論
3. アドテクノロジー
4. データドリブン
5. アトリビューション
6. 賢人に聞く
●横山隆治氏「広告人は変われるか」
●塚本陽一氏「デジタルの知見を武器に、自らのスキルを変革せよ」
COLUMN:テレビCMに検索キーワードが入るまで
付録:著者陣によるブックガイド、用語集
DSP、RTB、SSP、DMP、第三者配信、カオスマップの読み方、データフィード、商品リスト広告(PLA)、アトリビューションまで、各キーワードと概念を包括的に理解するために役立つ1冊です。加えて、デジタル時代のマーケター・広告人のキャリア構築を指南する特別取材記事を収録し、著者陣によるブックガイドや用語集、COLUMNも盛り込まれています。予約・購入はこちら!(本書の発売は2014年2月13日です)→Amazon.co.jp/SEshop