MarkeZineの人気連載「ここから始めよう!アドテクノロジー基礎講座」を、大幅に加筆・再編して生み出された書籍『ザ・アドテクノロジー~データマーケティングの基礎からアトリビューションの概念まで~』が2014年2月13日(木)に発売となります。本書に収録された特別取材記事のカットアップ版を特別に公開いたします。第3段はKDDI株式会社の塚本陽一氏と本著の著者である菅原健一氏の対談です。(刊行記念特設ページはこちら)
デジタルマーケティングに邁進するKDDI
菅原:塚本さんの現在のKDDIでのお仕事について、教えてください。
塚本:私が所属しているのは宣伝部です。宣伝部はマス広告からデジタルまで、全ての広告宣伝などのコミュニケーションプランニングやその効果検証を行っている部署です。
私の担当領域は大きく2つあります。1つはデジタルマーケティングの推進です。部分最適ではなく、全体最適を実現させるために、マーケティングコミュニケーションにおいてデジタルを戦略的に活用することです。もう1つは、広告宣伝活動におけるROIの見える化です。これはデジタル領域だけでなく、マス広告も含むエグゼキューション(実行・執行)のパフォーマンスを可視化するということです。前者も後者もとても重要なテーマですが、ROIの見える化は最も重要なテーマだと考えています。
テレビCMやディスプレイ広告などの単体施策の個別評価だけでは、エグゼキューション全体でのROIを可視化できているとは言えません。コミュニケーション活動全体のROIを見える化し、リターンを最大化させるための広告宣伝やコミュニケーションがどうあるべきかを戦略的に考えていく必要があります。そのためにはプロモーションを展開する際のリターンの定義やKPIの設定も重要です。
塚本:ただし、KPIの設定は左脳的な分析だけでロジカルに実施すればいいというわけではありません。また、簡単にトラッキングできる指標を採用すればいいというわけでもありません。自分たちのビジネスモデルやマーケティング戦略とKPIが高いレベルで融合していなければ意味がないでしょう。
例えばディスプレイ広告については、CPCやCPAなどの単なる「効率」論だけの視点にならないように、「効果」についてもその貢献を測定する指標を設定しています。それがアドテック東京2013のセッション「最先端アドテクノロジーから読むマーケティングデータ分析」で話した、CPAだけでは見えないメディアの価値を可視化する取り組みにつながるのです。単なるクリックのコストだけで評価するのではなく、ビジネスのゴールにきちんと貢献しているのかを可視化するという目線を持って評価することを心掛けています。
菅原:多くの日本企業は、経験や勘に頼って宣伝活動を行っている傾向が強いと思いますが、KDDIの宣伝活動におけるデジタルやアドテクノロジーの貢献度合いはどの程度でしょうか。
塚本:デジタルの領域は数値としてダイレクトに結果が出てくることもあり、成果を見える化しやすく、その貢献度は大きいですね。一方でマスの領域は、見える化がとても難しく、たとえできたとしてもダイレクトではありません。テクノロジーが進歩したことで、企業側で色々なデータを蓄積し、それを分析して新たな気付きを導き出すことができるようになりました。エグゼキューションの中心はテレビCMといった段階ですが、ROIの見える化という視点ではその中心はやはりデジタルです。
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- この記事の著者
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安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)
翔泳社 メディア編集部門 ビジネス編集統括 第2メディア編集部 部長 兼 Biz/Zine編集長
慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、雑誌『MarkeZine』を創刊し、新規事業を創出。2019年4月~2026年3月、MarkeZine 4代目編集長。2025年4月よりBiz/Zine編集長を兼任。2026年4月より現職。編集業務と並行して、デジタル...※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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